香川県さぬき市出身の創作人形作家・マルヤマミホさんによる球体関節人形展が、高松市庵治町の歯ART美術館で開かれている。かれんだが妖艶さを漂わせる作品が並び、独自の世界観を演出している。26日まで。


独自の世界観が楽しめる人形展=高松市庵治町、歯ART美術館


 マルヤマさんは、国内の球体関節人形の草分け的存在として知られる吉田良さん主宰の教室「ドールスペースピグマリオン」で制作を勉強。同教室で人形作家の本城光太郎さんにも師事し、現在は県内を中心に東京などの作品展にも出品している。

 球体関節人形は、関節部分を球体で作ることで自在に動かせ、ポーズを取らせることができる。マルヤマさんによると、磁器や粘土でできた体にガラスの目を入れるなどして作られることが多く、衣装や小物を身に着けたものもある。

 同館でのマルヤマさんの個展は2回目。今回は約30点を紹介し、大小さまざまな作品が並ぶ。会場中央に横たわる人形や入り口近くに置かれている透明感のある洋服をまとった人形など3体は68センチの大作で、マルヤマさんは「ここまでの大きさの人形を複数飾るのは初めて」という。白やピンク色のドレス、色鮮やかな着物など衣装も幅広く、一体一体異なる雰囲気で来場者の目を引いている。

 マルヤマさんは「球体関節人形を県内で制作している人はあまりいないのでは。大勢の人に見てもらい、その存在をもっと知ってほしい」と話している。

(四国新聞・2021/09/17掲載)


歯ART美術館



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