金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町)の表参道にあり、鎌倉時代の1245(寛元3)年創業のあめが名物の土産物店「池商店」が、創業以来初めての全面リニューアルを行い、8月下旬から新店舗で営業している。同店は金刀比羅宮境内で営業を許されている5軒の店「五人百姓」のうちの1軒で、28代目の池龍太郎さん(28)は「これをきっかけに五人百姓についても知ってもらいたい」としている。


リニューアルした店内で写真に納まる池さん一家=琴平町


 池商店は石段の69段目にあり、池さんによると、参道にある店で最も古いという。五人百姓として、金毘羅参りの名物となっていたあめ「加美代飴(かみよあめ)」を約800年前から販売している。

 新型コロナウイルスの収束後に多くの観光客に足を運んでもらえる準備をしようと、今年5月から営業を休止し、リニューアルに向けた作業を始めた。五人百姓の存在をPRするとともに、参道を活気づけたいという思いも後押しした。

 店内は木材を多く取り入れたモダンな雰囲気に刷新し、あめを製造しているところが見えるガラス張りのスペースも設置。また、ロゴマークは、加美代飴を四国に見立て、あめが四つに割れたデザインにした。

 リニューアルに併せてオリジナル商品も開発。加美代飴に興味を持ってもらうきっかけにしようと、あめを使ったドリンクやソフトクリームの販売を始めた。琴平をテーマにアーティストにデザインしてもらったTシャツや、県内の老舗和菓子店とコラボレーションして作った和三盆なども加え、幅広い層が土産物を買い求めやすいようにした。

 再オープンして約1カ月。住民のほか若者の来店も多くなったという。池さんは「地元の文化を継承し、100年先も存続できるような店にしたい。琴平が若者が残りたいと思えるような町になってほしい」と気持ちを新たにしている。

(四国新聞・2021/09/24掲載)


池商店

土産物店「池商店」



所在地 香川県仲多度郡琴平町933
営業時間 8:30~17:30
定休日 不定休
TEL 0877-75-3694

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