香川の近代産業発祥の地・多度津の魅力に迫る特別展「多度津ものがたり」が、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれている。多度津に拠点を置き、戦前の香川の発展に寄与した鉄道や電力会社、銀行に関する写真や地図など約140点の資料が並び、来場者の関心を呼んでいる。11月23日まで。


多度津の近代化に焦点を当てた特別展=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム

多度津の近代化に焦点を当てた特別展=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム


 香川県立ミュージアムが地域と連携して文化遺産の魅力を発信し、その保存や活用につなげる活動の一環。

 特別展「多度津ものがたり」は「近代がやってきた」と「近代にたどりつくまで」の2部に分けて構成。1部では、香川県内初の鉄道路線「讃岐鉄道」の路線図や切符のほか、四国電力の前身とされる四国水力電気の供給網を表した図面などが目を引く。近代化に伴い拡張されていく多度津港の様子も写真や地図で追っている。

 また、近代産業の発展に尽くした7人の豪商「多度津七福神」を紹介する一角では、鶴橋武田邸の拡大写真と建設模型を併せて展示。西洋風の建築様式や邸宅の規模から財力の大きさがうかがえる。

 2部では、江戸時代に描かれた名所図絵や地図などを示し、金毘羅参詣の玄関口や北前船の寄港地として栄えたことや、多度津藩の陣屋開設によって一層発展し、近代化の基盤となったことも紹介している。

 特別展「多度津ものがたり」担当の御厨義道学芸員は「展示で多度津の面白さを知り、ぜひ現地を訪れてほしい」と話している。

 会期中、JR多度津駅や町立資料館を巡るスタンプラリーなどを開催。かがわ文化芸術祭2021の特別共催事業。問い合わせは香川県立ミュージアム087-822-0002。

(四国新聞・2021/10/07掲載)

特別展「近代香川を生み出したまち 多度津ものがたり」


会場 香川県立ミュージアム2階特別展示室
〒760-0030 香川県高松市玉藻町5-5
会期 2021/10/1~2021/11/23
観覧料 一般800円ほか
開館時間 9:00~17:00(入館は30分前まで)
休館日 月曜日
TEL 087-822-0002

特別展「近代香川を生み出したまち 多度津ものがたり」



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