香川県と東京芸術大学が連携した現代アート展が、香川県善通寺市で開かれている。善通寺市善通寺町の善通寺市観光交流センターで巨大な漁網の作品を展示しているほか、善通寺市観光交流センター周辺では拡張現実(AR)技術を用いて作品を鑑賞できる企画も行っており、芸術と先端技術の融合が体感できる。


巨大な漁網の作品「the Network網をつなぐ」=香川県善通寺市善通寺町、善通寺市観光交流センター

巨大な漁網の作品「the Network網をつなぐ」=香川県善通寺市善通寺町、善通寺市観光交流センター


 連携事業は2001年度から実施。今回は昨年に続いて善通寺市を会場とし、東京芸術大学美術学部長の日比野克彦さんが監修した。

 漁網の作品「the Network網をつなぐ」(縦2・5メートル、横3・8メートル、奥行き4メートル)は、麻の一種「カラムシ」を用い、東京芸術大学が青森県との連携事業で制作したもの。青森県の縄文時代の遺跡でカラムシを栽培していた形跡が見つかったことに注目し、縄文時代の生活文化と芸術を融合させようと、全国各地で教室を開き、子どもや大人延べ約千人にカラムシで編んでもらった網をつなぎ合わせて完成させた。

 ARを用いた企画は、新型コロナウイルスの感染防止のため、密集を避けようと東京芸術大学が提案。スマートフォンで専用アプリをダウンロードした上で、旧善通寺偕行社や市立郷土館など市内22カ所に掲示されているQRコードを読み取ると、東京芸術大学の学生やOB、OGが制作したオブジェや映像などの作品が画面に映し出される。アプリは、香川大学創造工学部の柴田悠基講師の研究室が開発した。


AR技術でスマホの画面に映し出された作品

AR技術でスマホの画面に映し出された作品


 日比野さんは「漁網からは縄文時代と現代がつながる感覚や人間の創造性を感じてもらいたい。AR企画では街を散策しながらバーチャルで作品を楽しんで」としている。

 漁網の展示は11月14日まで、善通寺市観光交流センターでは14日まで漁網作りのワークショップを開催しており、11日は空きがある。AR企画は12月26日まで。申し込みは香川県文化振興課087-832-3785。

(四国新聞・2021/11/10掲載)


TOKYO GEIDAI ART FES AUGMENTED REALITY IN 善通寺

善通寺市観光交流センター



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