国内工芸界で最大規模の公募展「第68回日本伝統工芸展」(香川県立ミュージアムなど主催)が来年1月2日、高松市玉藻町の同ミュージアムで開幕する。今回は漆芸や陶芸、染織など7部門のよりすぐった計200点を紹介。香川をはじめ、全国の作家が現代の感性で美を追究した力作が新春を華やかに彩る。16日まで。

 全国から1163人、計1240点の応募があり、入賞16点を含む559点が入選。県内在住者は18人(漆芸13、陶芸3、染織1、諸工芸1)が入選した。

 同展は全国10都市を巡回。7カ所目となる高松展では、重要無形文化財保持者(人間国宝)45人の作品や入賞作のほか、四国在住者、県漆芸研究所の修了生ら香川ゆかりの作家の入選作などが並ぶ。


大谷早人「籃胎蒟醤飾箱『茜』」(17・0×24・5×12・0センチ)

大谷早人「籃胎蒟醤飾箱『茜』」(17・0×24・5×12・0センチ)


 このうち、漆芸部門は「漆芸王国・香川」PRのため全入選作78点を展示。地元の人間国宝は山下義人(高松市)と大谷早人(同)が出品する。山下の「青藍蒟醤箱(せいらんきんまはこ)」は、蒟醤と蒔絵(まきえ)を用いて稲妻が走る夜空の一瞬の模様を表現。大谷の「籃胎(らんたい)蒟醤飾箱『茜(あかね)』」は、竹で編んだ素地に伝統的な文様とグラデーションで故郷・男木島の秋の夕景を描き出した。


山下義人「青藍蒟醤箱」(26・5×13・5×12・5センチ)

山下義人「青藍蒟醤箱」(26・5×13・5×12・5センチ)


 8日13:30からは大谷が登壇する講演会「籃胎蒟醤―僕と太田先生との思い出」(参加無料、要申し込み)がある。会期中、日本工芸会四国支部会員らによる陳列品解説を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開予定。

(四国新聞・2021/12/29掲載)


香川県立ミュージアム

第68回日本伝統工芸展


会場  香川県立ミュージアム 2階特別展示室ほか(香川県高松市玉藻町5-5)
会期 2021/1/2(日)~1/16(日)会期中無休
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料 一般650円、前売・団体(20名以上)520円
※高校生以下、65歳以上、身体障害者手帳等をお持ちの方は無料
TEL 087-822-0247

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