うどん製造のさぬき麺業は、高松市松並町の本社近くに工場を新設する。インバウンド(訪日外国人客)をはじめ好調な観光需要を背景に、うどん打ちと工場見学が併せてできる施設にする計画で、体験を通じて讃岐うどん文化を味わってもらう。年内の稼働を予定している。


うどん作りを学べるさぬき麺業の手打ちうどん体験道場。小学生や観光客らから好評を得ている(資料)

うどん作りを学べるさぬき麺業の手打ちうどん体験道場。小学生や観光客らから好評を得ている(資料)


 新工場は、老朽化した第2工場を建て替えて整備する。鉄骨2階建て延べ床面積約千平方メートル。駐車スペースの拡張も行い、大型観光バスの乗り入れをスムーズにする。整備費は約3億円。

 体験教室「手打ちうどん体験道場」は20年以上前から開いており、職人のアドバイスを受けながら生地作りから食べるまでが楽しめる。時間は1時間半ほどで、観光客や遠足の小学生ら年間2500人ほどが利用している。

 新工場は1階に製造施設、2階に体験道場と飲食スペースを設け、道場の利用者は5年後に現在の3倍ほどに拡大させることを目標に掲げる。飲食スペースではうどんや天ぷら、郷土料理などを用意し、道場の参加者以外でも製造現場の見学後に香川の味を満喫できるようにする。飲食料金は1500~2千円を予定する。

 製造施設では特注の大型ロールを新たに導入することにより、ソフトで弾力のある麺に仕上げる工程の効率化を図る。また、食品衛生管理の手続きを定めた国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証取得も目指す。

 県内では観光客の増加に伴って、体験型メニューの充実が課題となっている。香川政明社長は「うどんを味わうまでの過程を肌で感じてもらうことで、香川への愛着を深めてもらえれば」と話した。

 同社は、うどん店を県内7店、大阪府2店、昨秋に初進出の東京都に1店を展開し、土産用うどんの製造も行っている。2018年3月期の売上高は8億3千万円。

(四国新聞・2019/04/09掲載)


さぬき麺業 手打ちうどん体験道場HP


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