映画の祭典「さぬき映画祭2022」(同実行委、香川県など主催)が5日、開幕した。香川県高松市玉藻町のレクザムホール小ホールでオープニング上映があり、東かがわ市の会社員中村心太(ところてん)さん(31)=ペンネーム=の脚本・監督作品「地蔵調査官」を初公開。中村さんは「スタッフや同僚の支えで形にすることができた。作品に込めた児童虐待防止のメッセージが伝われば」と語った。6日まで新型コロナウイルス感染症対策を講じて行う。


「地蔵調査官」の上映後に行われたトークショー=香川県高松市玉藻町、レクザムホール

「地蔵調査官」の上映後に行われたトークショー=香川県高松市玉藻町、レクザムホール


 「地蔵調査官」は、19年度の同映画祭シナリオコンクールで大賞に輝いた中村さんの原作を映像化した作品で、県内で全編ロケが行われた。両親から虐待を受けて寺に身を寄せた主人公の少女が、寺の地蔵と一日中話している自称・地蔵調査官の男と出会い、「最も尊敬されている地蔵」を一緒に探す物語。

 上映後には中村さんと俳優がトークショーを展開。地蔵を題材にしたことについて中村さんは「寺や地蔵が多い四国の風土に影響を受けた」と振り返った上で、「今後はチャリティー上映会を行い、子どもたちへの支援につなげたい。そこまでやって完成」と目標を示した。製作補助を務めた映画監督の中島貞夫さんも登壇し、「どんなドラマにするか試行錯誤の連続だったが、よくまとめ上げた」と称賛した。

 この日は、県在住・出身者を対象にしたシナリオコンクールの審査結果も発表され、大賞に高松市のパート従業員鵜川京子さん(65)=ペンネーム=の「盆栽ラップソディー」が選ばれた。

 同映画祭のホームページでは、昨年10月に開催した「映画ゼミナール」のダイジェスト映像(要会員登録・無料)を公開し、鑑賞のこつを紹介している。

 同映画祭は、映像による地域文化の振興を目的に2006年から開催。今年は香川ゆかりの作品16本を集めた(オンライン含む)。最終日の6日は、同ホールやイオンシネマ高松東など同市の3会場で上映会を開き、ゲストとして来県する監督や俳優らが作品について語る。

(四国新聞・2022/02/06掲載)


さぬき映画祭オフィシャルサイト


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