新たに9点収蔵へ 高松市美術館 稲崎さん(同市)の陶彫など 市塩江美術館にも陶彫
高松市美術館は2日、2021年度の新たな収蔵品として、高松市在住の陶芸家・稲崎栄利子さんの陶彫、岡山県出身の画家・松井えり菜さんの油彩画、文化勲章受章者で101歳の現役画家・野見山暁治さんの油彩画など購入5点、寄贈・寄託4点の計9点を取得すると発表した。購入予定額は計約1千万円。
同日までに市美術品等収集審査会(会長・千葉昭よんでん文化振興財団理事長)が収集を承認、大西市長へ答申した。収集品の内訳は、油彩画5点、映像1点、彫刻2点、素描1点。新たな収蔵品は常設展などで順次公開する。
稲崎さんの作品「現像」(高さ37センチ)は、太さ1ミリ程度の白いひも状の土で作った無数のパーツを緻密に組み合わせて焼成した陶彫。陶芸の概念を覆すような細密な超絶技巧を駆使し、1年かけて制作した。稲崎さんが同様の手法を用いて仕上げた作品の中では最大サイズとなる。
松井さんの油彩画は2点を収集。「エブリデー審判デイズ」は、キャンバスいっぱいに描いた自画像の中に、ミケランジェロの作「最後の審判」をアレンジした世界を表現。キリストの代わりに赤子を描き、現代人の姿を忍び込ませるなどしたユーモラスな作品となっている。
野見山さんの「今日という今日」は、心に浮かんだ形や色を描いた油彩画。黒や黄色を中心とした色彩のように見えながら、地の部分にさまざまな色を塗り込めた複雑な色合いが特徴で、大胆で荒々しい筆遣いと効果的に用いられた余白などが、作品にダイナミックな動きをもたらしている。
市塩江美術館も東かがわ市在住の陶芸家・及川みのるさんの陶彫「葉っぱとる子」を収集する。購入予定額は65万円。
(四国新聞・2021/03/03掲載)
高松市美術館
所在地 | 香川県高松市紺屋町10番地4 |
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開館時間 | 9:30~17:00 展覧会場への入室は閉館時間の30分前まで 特別展開催期間中の金曜日・土曜日は19:00まで |
休館日 | 月曜日(祝休日の場合は翌日) |
TEL | 087-823-1711 |