河津桜、春の便り ピンク色鮮やかに 観音寺・大野原の柞田川沿い
香川県観音寺市大野原町の青岡地区の柞田川沿いで、住民が植樹した河津桜の並木が見頃となり、ふわりとした鮮やかなピンク色の花が春の便りを届けている。
鮮やかなピンク色の花を枝いっぱいにつけた河津桜の並木＝香川県観音寺市大野原町
早咲きの河津桜を植え、世話を続けているのは同地区の無職山口輝昭さん（78）。東京で働いていた頃、静岡県河津町の川辺に咲き誇る河津桜をよく見に出掛け、20年近く前に持ち帰った苗木3本を自宅前の土手に植えた。「殺風景なので、人が来てくれるようになればうれしい」とその後も植樹を続け、草刈りなどの手入れに取り組んでいる。
今では計15本ほどに増え、初めに植えた3本は見事な枝ぶりに成長した。今年は例年より約1週間遅く2月下旬に開花。今月に入って気温の上昇とともに咲き進み、7分咲きほどになった。水平方向に大きく広げた枝は濃いピンク色に染まっている。
花の周りでは多くのミツバチが飛び交い、春本番を告げている。「河津桜は花持ちがいいので、長く楽しめる」（山口さん）といい、今月後半までめでることができそう。
柞田川沿いの河津桜は、地図サービス「グーグルマップ」に「大野原町丸井の河津桜」として掲載され、会員制交流サイト（SNS）でも広まって足を運ぶ人が増えている。
（四国新聞・2022/03/11掲載）