若い人の視点で香川の歴史や画家らを紹介しようと、香川県立ミュージアム(香川県高松市玉藻町)の高校生ボランティア10人が、動画やリーフレットを制作した。同館の担当者は「コロナで状況が変わる中、学生たちが手探りながら自分で一から考えて制作した」とした上で、「大人にはとても考えつかない仕上がりになっているので、広い年代の人に見ていただきたい」と話している。


動画を制作した(左から)上枝さん、牛久保さんとリーフレットを制作した山口さん=香川県立ミュージアム

動画を制作した(左から)上枝さん、牛久保さんとリーフレットを制作した山口さん=香川県立ミュージアム


 同館では従来、展示解説や収蔵品整理のボランティアが活動しているが、本年度は高校生の応募が多かったため独立チームを新設。6校の10人が歴史分野と美術分野に分かれ、歴史チームは平賀源内らの人物や、丸亀城など史跡を紹介する動画を制作。美術チームは小林萬吾、江戸健ら県ゆかりの画家を取り上げたリーフレットを制作した。

 秋から冬休みにかけ、本やインターネットで情報を集めたり、現地を訪れて写真撮影したりと取材を重ね、スマホのアプリを使って制作。コロナ下のため容易に集まれず、打ち合わせなどの機会も減ってしまったが、全員が努力を重ねて完成させたという。

 上枝心暖さん(高松東高2年)と牛久保有咲さん(同)は歴史動画を担当。上枝さんは「表示する文字と、アナウンスの文言のバランスに苦労した」。牛久保さんは「調べるとたくさん面白いことがあり、時間内に収めるのが大変だった」と振り返った。

 美術のリーフレットを作った山口瑞葵さん(高松一高1年)は、「正しい情報を発信する責任を感じた。図書館、美術館などで集めた情報を読みやすくまとめるのは大変だった」と充実した様子で話した。

 同館では31日まで動画を上映するほか、冊子を無料配布。7月までインターネットのサイトでも閲覧できる。

(四国新聞・2022/03/17掲載)


香川県立ミュージアム

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