香川、岡山両県の島々などを現代アートで彩る「瀬戸内国際芸術祭2022」の開幕を前に4日、香川県小豆郡土庄町の土庄港ターミナルでファッションデザイナー・コシノジュンコさんによる新たなアート作品が披露された。コシノさんは自身のデザインコンセプト「対極の美」を追求した作品を前に、「インパクトを与えられるものが完成した。小豆島の玄関口で、未来への無限の広がりを感じてもらえれば」と手応えを口にした。


瀬戸内国際芸術祭に向けて制作した「対極の美―無限に続く円―」を披露するコシノジュンコさん=土庄町、土庄港ターミナル

瀬戸内国際芸術祭に向けて制作した「対極の美―無限に続く円―」を披露するコシノジュンコさん=土庄町、土庄港ターミナル


 コシノさんが同芸術祭に出品するのは、2016、19年に続き3回目。今回も16年の同芸術祭に合わせてコシノさんが改修に参画し、命名した「アートノショーターミナル」に展示する。

 新作のタイトルは「対極の美―無限に続く円―」で、横幅約4.5メートル、奥行き約4.5メートル、高さ約6メートルのアクリル樹脂製立体造形。自身の服飾デザインをモチーフに、人間がイメージする合理性の象徴ともいえる四角形と、水の波紋など自然がつくり出す円や丸を組み合わせ、女性が舞い踊るようなダイナミックな作品に仕上げた。

 この日は同ターミナルにコシノさんや岡野町長ら関係者約20人が集まって除幕式を開催。コシノさんは、作品は3Dプリンターを使って約半年かけて制作したことを紹介し、「多くの人の協力があり、イメージを形にすることができた。見る位置や光の当たり方で多様な受け止め方ができる。ぜひ小豆島を訪れて見てほしい」と笑みを浮かべた。

 岡野町長は「コシノさんの感性が盛り込まれた最新作。この作品を通じて、小豆島全体が世界に発信できる」とあいさつし、コシノさんにオリーブのリースを贈った。

 同芸術祭は14日に春会期が開幕。コシノさんの作品は4日から公開し、秋会期が終了する11月6日以降も展示する予定。

(四国新聞・2022/04/05掲載)


瀬戸内国際芸術祭2022



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