瀬戸内国際芸術祭2022 戦後デザイン、体感を 丹下健三や岡本太郎ら 高松 きょうから、家具など300点
香川県立ミュージアム(香川県高松市玉藻町)で9日から特別展「戦後デザイン運動の原点-デザインコミッティーの人々とその軌跡」(同ミュージアム主催)が開かれるのを前に8日、同所で報道関係者を対象にした内覧会があった。戦後デザイン運動の先駆けとなった「国際デザインコミッティー」に焦点を当て、建築家丹下健三さんら創立メンバーの活動や交流の様子を約300点の作品などで紹介している。同展は瀬戸内国際芸術祭2022の作品の一つで、5月29日まで。
コミッティーは、1954年の「ミラノ・トリエンナーレ」への参加を目的に50年代初頭に設立した団体。創立メンバーは丹下さんをはじめデザイナーの剣持勇さん、画家の岡本太郎さん、写真家の石元泰博さんら幅広い分野の第一人者が名を連ねた。銀座の百貨店「松屋」の商品選定や併設ギャラリーで行った企画展を通じて戦後の人々に優れたデザインを啓発、現在も「日本デザインコミッティー」と改称して活動している。
特別展はコミッティーの活動を物語る家具や絵画を4章構成で展開。このうち創立メンバーの交流を取り上げた章では、丹下さんの代表作の一つで、2月に国の重要文化財に指定された香川県庁舎東館を紹介。剣持さんがデザインした知事室の机のほか、石元さんが庁舎完成当時に撮影した写真も並び、コミッティーの多彩なメンバーが関わっていたことが分かる。
ギャラリーでの企画展を再現した章では、座面に目玉をあしらった岡本さんの「座ることを拒否する椅子」が目を引く。旧牟礼町に拠点を置いた彫刻家イサム・ノグチさんの提灯(ちょうちん)もあり、デザインに対する作家それぞれの考えがうかがえる。
日置瑶子学芸員は「当館が初めて本格的にデザインを取り上げた特別展を楽しんでほしい」と話している。
(四国新聞・2022/04/09掲載)
戦後デザイン運動の原点-デザインコミッティーの人々とその軌跡
会期 | 2022/4/9(土曜日)~5/29(日曜日) |
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開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) ※会期中、4/9を除く毎週土曜日は20:00まで開館 |
会場 | 香川県立ミュージアム2階常設展示室(香川県高松市玉藻町5-5) |
観覧料 | 一般1200円、団体(20名以上)1000円 ※高校生以下、65歳以上、障がい者手帳をお持ちの方は観覧料無料 ※国際博物館の日(5/18)は観覧料無料 |
休館日 | 月曜日(5/2は開館) |
TEL | 087-822-0002 |