「桜御門」80年ぶり雄姿 史跡高松城跡 市、復元へ外観工事完了 7月中のオープン目指す
香川県高松市玉藻町の史跡高松城跡で、高松市が復元整備を進めている「桜御門」の外観工事が完了、約80年ぶりに雄姿を見せた。黒い下見板張りや白いしっくいの外壁が青空に映え、来園者が足を止めて見入っている。市は今後、門内部の資料展示スペースの整備工事などを行い、7月中のオープンを目指している。
桜御門は、披雲閣の正門に当たる櫓(やぐら)門。1944年に国宝に指定されることが決まっていたものの、翌年7月の高松空襲で焼失した。
市は復元を目指し、2014年度から2016年度にかけて石垣を積み直し、昨年4月から本体の本格的な復元工事に着手。新型コロナウイルスの影響で部材納入が滞り、工期は半年ほど遅れていた。
復元された桜御門は、幅約12メートル、奥行き約5メートル、高さ約9メートル。しゃちほこが付いた瓦屋根にはしっくいが塗られ、巨大な梁(はり)や柱で櫓を支えている。上から敵に石を落とすための隙間「石落とし」を設けるなど、見張り小屋だった雰囲気も感じられるようにした。総工事費は約3億円。
展示スペースの広さは約60平方メートル。復元工事の様子を収めた写真パネルや、しゃちほこの型などを並べる予定。現在は、展示スペースに入るための階段を門の東側に新たに設けるなどの工事を進めている。
高松市埋蔵文化財センターは「より本物に近い形で復元できた。ぜひ見に来て、高松城の城としての風情を体感してほしい」としている。
(四国新聞・2022/04/10掲載)