坂出市内の三つの離島を通して地域の魅力を発信しようと、坂出商業高校(香川県坂出市青葉町、関本英統校長)の3年生が主体となって、一般旅行客向けのバスツアー「坂出三島物語」を企画した。ツアー内容から料金設定まで生徒が一から作り上げた。ツアーにもガイドとして参加し、参加者に島の見どころなどを伝える。


企画したバスツアーの内容を確認する会計ビジネスコースの3年生ら=香川県坂出市青葉町、坂出商業高

企画したバスツアーの内容を確認する会計ビジネスコースの3年生ら=香川県坂出市青葉町、坂出商業高


 ツアーを企画したのは、会計ビジネスコースの3年生30人。同コースでは毎年、地域の問題点を学び解決方法を考える「課題研究」の授業に取り組んでいる。新型コロナウイルス下における市の観光振興を考える中で、身近な観光地を巡るマイクロツーリズムの学習を開始。坂出市をPRする新たな観光資源として、まだ魅力が浸透していない与島、岩黒島、櫃石島の3島に注目した。

 昨年8月、同コースの生徒約10人が3島でフィールドワークを実施。多島美を一望できる絶景スポット・花見台(櫃石島)や、瀬戸内海で最も古い近代灯台・鍋島灯台(与島)など、まだ知られていない観光地があることが分かった。3島経由の路線バスを運行する琴参バス(丸亀市)に情報発信策について相談したところ、生徒たちで観光ツアーを考えてみないかと提案があったという。

 琴参バスグループの旅行会社・琴参観光(丸亀市)のスタッフらを授業に招き、ツアーの組み立て方や料金の設定方法などを勉強。生徒たちで企画を練り上げ、両社と協議して3月上旬、琴参バスによるバスツアー「坂出三島物語」が完成した。

 ツアーは4月29日と5月7日の2回開催。8:45にJR坂出駅を出発し、3島を巡って15:00に同駅に戻る旅程で、各回とも生徒が2人ずつガイドとして参加し、各島でお薦めスポットなどを紹介する。3年の鍋本さん(17)は「時間配分や訪問場所の選定など、ツアーを組み立てるのは大変だった。間近で見る瀬戸内の多島美は本当に素晴らしく、ぜひ実際に訪れてほしい」と参加を呼び掛けている。

 料金は1人8888円。予約は出発日の10日前までで、最少開催人数は10人。申し込み、問い合わせは琴参観光0877-24-3131。

(四国新聞・2022/04/12掲載)


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