3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2022」(同実行委主催)の春会期が、14日から香川、岡山県の島々などで始まる。開幕前日の13日には参加アーティストが作品の総仕上げに取り組み、関係者は案内所や横断幕を設営するなど来場者の迎え入れ態勢を整えた。


開幕を前に、慎重に制作を進める眞壁さん=香川県高松市男木町

開幕を前に、慎重に制作を進める眞壁さん=香川県高松市男木町


 この日、一部の会場ではアーティストが追い込み作業に汗を流した。このうち、高松市の男木島では眞壁陸二さん(50)=石川県=が倉庫の壁面に施したカラフルなアクリル板の装飾を最終チェック。新型コロナウイルスの影響で島での制作時間が限られたとあって、「開幕に間に合ってほっとしている。手元に残した約40枚の板を会期中に島の人たちと壁に飾って、みんなの記憶に残る作品にしたい」と笑顔で話した。

 各島への拠点となる高松港旅客ターミナルでは、関係者が総合案内所や公式ショップを設営したり、乗船口連絡通路に歓迎用の横断幕やのぼりを取り付けたりするなど、慌ただしい時間を過ごした。

 新型コロナ下で初の開催となる今回の芸術祭では、高松港の県営桟橋付近や各島の作品鑑賞の受付などで検温や体調確認を行う。県は、県内の感染状況に応じて屋内の入場制限や会場・島ごとの公開停止などの措置を講じる予定。

 会場は直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島と高松港・宇野港周辺。春会期はこれらに沙弥島、秋会期は本島、高見島、粟島、伊吹島が加わる。アーティストは33カ国・地域から184組が参加し、214作品を展示。芸術祭の開催効果を県内に広く波及させるため、写真共有アプリ「インスタグラム」を使った周遊キャンペーンなども行う。

 会期は春が5月18日まで、夏が8月5日から9月4日まで、秋が9月29日から11月6日までの計105日間。

(四国新聞・2022/04/14掲載)


瀬戸内国際芸術祭2022


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