筆ノ山と我拝師山に囲まれ、四季折々の草花が楽しめる「善通寺五岳の里・市民集いの丘公園」(香川県善通寺市吉原町)。段々畑を思わせる美しい花壇には、親子連れや写真愛好家らがひっきりなしに訪れ、“満開の笑顔”を咲かせる。新緑の季節、まばゆい日差しを浴びながらカメラを手に散策した。

 高松道・善通寺ICから車で約15分。同市が管理している敷地面積約4ヘクタールの園内には、樹木から草花まで計11万株以上が育つ。入り口にはウェルカムガーデンがあり、ローズマリーやラベンダーが出迎えてくれた。

 階段を上った先の「花咲き棚田」には、色とりどりの花が植え付けられており、今はネモフィラが見頃。青い小さな花がじゅうたんのように広がり、多くの来園者がうっとりと眺めていた。


ネモフィラが一面に広がる「花咲き棚田

ネモフィラが一面に広がる「花咲き棚田」=香川県善通寺市吉原町、善通寺五岳の里・市民集いの丘公園


 ヤグルマギクの紫色とヒナゲシのオレンジ色のコントラストも愛らしい。これからの時季はサルビア・ネモローサやスモークツリー、6月にはアジサイなどが楽しめるという。園の中腹に位置する「花見台」からは、これらの花すべてを見渡せ、善通寺市の街並みから遠く瀬戸大橋まで望める。


花見台は公園中央部を見渡せ、善通寺市の街並みから瀬戸大橋まで望める

花見台は公園中央部を見渡せ、善通寺市の街並みから瀬戸大橋まで望める


 さらに奥に進むと、樹木が茂る風景に変わっていく。森が近い「わらべの谷」は、2頭のヤギと触れ合えることで人気。赤色の首輪をつけているのが「ユキ」、青色は「フク」。子どもたちが呼び掛けてもマイペースに過ごす様子に思わず頬が緩む。

 帰り道、園中央の芝生広場にある二つのおしゃれな庭が気になった。一つは日本庭園風、もう一つはイギリス風のモデルガーデン。これらは、「善通寺フラワー&ガーデンフェスタ」(同実行委主催)のガーデニングのコンテストで優秀な成績を収めたプロの造園家の庭を再現して常設しているという。公園で庭造りのヒントを得ることができるアイデアに感心した。


イギリス風のモデルガーデンを常設している

イギリス風のモデルガーデンを常設している


 大人向けの樹木剪定(せんてい)やハーブの教室から、子ども向けに行う野菜の育て方の講座や園内の素材を使ったさまざまなワークショップも豊富。散策を楽しめるだけではなく、家族で緑への学びを深められるのも魅力だ。

(四国新聞・2022/04/23掲載)


善通寺五岳の里・市民集いの丘公園

善通寺五岳の里・市民集いの丘公園



所在地 香川県善通寺市吉原町918番地1
営業時間 9:00~17:00(4月~6月)
定休日 毎週火曜日(祝日の場合は翌日)

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