幼児をモチーフにしたイラストや、手すきで草木染めした紙を作って動物を表現する香川県丸亀市のアーティスト・ミズカ(27)による県内初の個展、「アーティストミズカ WITH」が、高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。柔らかいタッチで幼児を描いた映像作品や立体造形7点と紙すき作品29点が並び、会場に癒やしの空間を演出している。5月15日まで。


映像作品の前で来場の子どもたちと触れ合うミズカ(左から2人目)=高松市塩江町、市塩江美術館


 ミズカは、京都造形芸術大(現京都芸術大)を卒業後、高松市芸術士派遣事業に携わりながらアーティスト活動を行っている。2019年の瀬戸内国際芸術祭では、男木島の作品の一つ「タコツボル」を作家グループの一員として創作。県外でも個展を開くなど活動の幅を広げている。

 大学在学中から異なる二つのスタイルの作品を展開。このうち、「ぼうや」シリーズの映像作品「ちいさなあなたへ」(8分)は、幼児がくるくる回り続けたり、目玉焼きをトランポリンのようにして遊んだりと、かわいらしい動作を繰り返すことで鑑賞者に安心感を与える。

 コンニャクの花やお茶の葉で染めた紙すき作品は、手すきの紙を作る際に偶然生まれた形を生かし、ハリネズミやペンギン、モモンガといった動物を再現。水彩色鉛筆などで精巧に描かれた目はきらりと光り、今にも額から飛び出しそうだ。

 ミズカは「個展名の『WITH』は、私と来場者が二つの作品を通して一緒に楽しめるようにという思いを込めた。心の中にいる『子ども』の自分と対話しながら鑑賞して」と来場を呼び掛けている。

 入場料は一般300円ほか。問い合わせは同館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2022/04/28掲載)


高松市塩江美術館



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