山あいの香川県三木町小蓑に、地元住民でつくる「山南営農組合」(阿部泰人社長)が整備してきた農産物の加工場兼農村カフェが完成した。加工場としては7月から営業を始め、地元の米や野菜などで商品を作り、販売まで手掛ける6次産業化を本格的に推進。カフェは香川大学の学生が5月7日から運営し、中山間地域のにぎわい創出や活性化を図る。


完成した農産物加工場。毎月第1、3土曜日はカフェになる=香川県三木町小蓑

完成した農産物加工場。毎月第1、3土曜日はカフェになる=香川県三木町小蓑


 同組合は、高齢化や過疎化による限界集落への流れを食い止めようと、非農家も含めた50戸が2004年6月に集落営農組織として設立。農業用機械の共同利用や農産物の直接販売によるブランド化、農村レストランの営業、農泊施設の開業などを進め、昨年7月に株式会社化した。

 加工場の整備は、これまで加工作業を行ってきたレストラン内のスペースが手狭なことなどから約10年前から準備。2年かけて近くに新たに施設を設け、加工作業をしない日は学生に貸すことにした。

 加工場兼カフェは、木造平屋、延べ床面積約55平方メートル。小蓑地区の米を米粉や団子などにするほか、野菜の乾物、山菜のつくだ煮などを販売し、要望に応じて弁当も作る。

 カフェ名は「いこい」。地域活性化に取り組む香川大の学生団体「koi-koi」(久米佑輔代表)が運営し、毎月第1、3土曜日に開く予定。生地に希少糖を練り込み、小蓑の野菜を挟んだベーグルサンドやコーヒーなどを提供する。


農産物加工場兼カフェの前でテープカットをする関係者

農産物加工場兼カフェの前でテープカットをする関係者


 24日に同所で落成記念式典などが開かれ、関係者や地元住民ら約70人が出席。テープカットを行うなどして完成を祝った。阿部社長は「6次産業化の推進とともに、学生さんのカフェで地域ににぎわいと潤いをもたらしたい」と語った。

(四国新聞・2022/04/30掲載)


カフェ いこい(Instagram)



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