香川県坂出市京町の近代建築物「人工土地」の屋上庭園で栽培しているバラが見頃を迎えている。同市の番の州公園でも名物のつるバラ花壇を中心に次々とピンクやオレンジ、黄色の花が咲いており、市内のバラの名所2カ所で優美な姿と香りの競演が始まった。


人工土地屋上で美しい花を咲かせるバラ=香川県坂出市京町


 人工土地のバラ園は、地元住民が2012年に同所でバラを植えたことをきっかけに栽培がスタート。現在は香川県内の愛好家25人でつくるボランティアグループ「人工土地ルーフガーデナーズ」が栽培を担当している。

 今年は4月に暖かい日が続いたこともあり、生育状態は良好。平年並みの4月下旬に開花し、5月に入って見頃を迎えた。直径約10センチの大きなサーモンピンクの花を付けたレディーオブシャーロットや、強い香りが特徴のシェエラザードなど、約380平方メートルの敷地に120品種200株ほどが咲き誇っている。

 同グループの野方雅裕事務局長は「5月に入ってからは雨がなく、いい状態を保てている。今月いっぱいは花を楽しめそう」と話し、来園を呼びかけている。同園では7、8の両日、「ローズフェスタ2022」を開催。バラアレンジメントの展示や苗木販売、育成方法の指導などを行う。

 番の州公園でもポールノエルやファザーズデイなど、園内5カ所で約180種約210株のバラを栽培している。同園の管理事務所によると4月下旬に開花が始まり、見頃はゴールデンウイーク明けから20日ごろまでの見通し。


つるバラ花壇で優美に咲き誇るバラを楽しむ来園者=香川県坂出市、番の州公園


 4日には陽光に誘われた大勢の来園者が訪れ、柵に付けた長さ約70メートルの漁網につるが巻き付くように仕立てたつるバラ花壇などを楽しんでいた。子どもと共に散歩に訪れた宇多津町の女性会社員(41)は「香りがよくて華やかなのがバラの魅力。多くの種類があって楽しめた」と笑顔を見せた。

 同園恒例の「バラ祭り」は、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止となった。

(四国新聞・2022/05/05掲載)

人工土地


番の州公園



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