庵治石やオリーブを原料にしたガラス作品の企画展「Blue Blue Green」が、香川県高松市牟礼町の高松市石の民俗資料館で開かれている。青と緑のガラスで海や月を表現した作品11点に、作家の繊細な世界観を見ることができる。29日まで。


インスタレーション「想いの一滴から~それぞれのSTORY」


 出品作家は、庵治石の粉を原料にした青いガラスを使って食器などを制作している杉山利恵=高松市=。30代になってから工芸の道に入り、富山ガラス造形研究所在学中に青いガラスを発案した。オリーブを原料にした緑色のガラス制作にも成功しているが、植物由来の着色は難しく、挑戦するたびに違う色味が出るという。

 出品作は、これらを用いて滴や波紋の揺らぎを表現したインスタレーション「想(おも)いの一滴から~それぞれのSTORY」が中心。ガラスの細かい粒やかけらで表現した波紋は直径2メートルにもなり、滴は落下する軌跡とひとつながりでできている。杉山は何日も会場に通い、グラデーションにもこだわって完成させたという。

 大きさ、丸みの異なるガラス玉で表現した月のシリーズは、杉山にとって大切なモチーフ。「時間を忘れるための時計」というテーマで制作した「蒼時(あじ)―AJI―」も展示されている。

 入場料は一般200円ほか。問い合わせは高松市石の民俗資料館、電話087-845-8484。

(四国新聞・2022/05/05掲載)

高松市石の民俗資料館


所在地 香川県高松市牟礼町牟礼1810
開館時間 9:00~17:00(展示室への入室は16:30まで)
休館日 月曜日(休日の場合は翌平日)
観覧料 一般200円(160円)、大学生150円(120円)、高校生以下無料
※( )内は20人以上団体料金
※65歳以上の方は証明書提示で観覧無料
※身体障害者手帳を所持する方は提示で観覧無料
TEL 087-845-8484


関連情報