青森県弘前市の「弘前ねぷたまつり」を紹介する「弘前ねぷた展(前期)」が19日、香川県仲多度郡琴平町の町立ギャラリー・ACTことひらで始まった。同市と同町による実行委が27、28日に町内で開く「四国金毘羅ねぷた祭り」のプレイベント。迫力満点の巨大な「ねぷた絵」が、来場者を圧倒している。


歌舞伎役者らが描かれたねぷた絵に見入る来場者=香川県仲多度郡琴平町、ACTことひら

歌舞伎役者らが描かれたねぷた絵に見入る来場者=香川県仲多度郡琴平町、ACTことひら


 弘前ねぷたまつりは、巨大な扇形のねぷたがまちを練り歩くのが特徴。ねぷた絵は、その鉄製の骨組みに貼る絵で、三国志や水滸伝(すいこでん)、歌舞伎などを題材に運行団体ごとに描かれる。

 展示の目玉は、歌舞伎十八番の一つ「暫(しばらく)」をテーマにしたねぷた絵。縦横約5メートルの扇形の和紙に、隈取りをした歌舞伎役者らが飛び出してきそうな勢いで描かれている。同市出身の谷口信平副町長の私物で、9年前に実際の運行で使われた。

 同市から借り受けたねぷた絵など5点も展示。舞を踊る白拍子や三国志の武将などが色鮮やかに描写され、表側に貼る「鏡絵」、裏側用の「見送り絵」などの解説パネルが添えられている。

 また、「ことひら絵遊びの会」(荻田※子代表)による水彩画や切り絵計10点も展示。いずれもねぷたをイメージしており、金毘羅大権現などを自由なタッチで表現している。

 ねぷた絵を目にした同町の山野弘子さん(77)は「すごい迫力。弘前の人がまつりで血が騒ぐのが分かるような気がする」と感心しきりだった。

 前期展は24日まで。27、28日には同所で絵師による制作実演があり、実演作品を含めた後期展は29日から6月3日まで。「暫」は5月27日から6月2日まで、旧金毘羅大芝居(金丸座)に展示する。

 四国金毘羅ねぷた祭りは、28日午後7時から町内中心部でねぷた運行があるほか、津軽三味線のライブ演奏なども企画。同日夜は周辺の通行規制も実施される。詳細は町ホームページまたは町企画防災課0877-75-6711。

※は冷の部首がさんずい

(四国新聞・2022/05/20掲載)


四国金毘羅ねぷた祭り(琴平町)



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