瀬戸内国際芸術祭2022/瀬戸内の魅力 地道に発信 こえび新聞20号 島キッチン新聞100号 芸術ファンや住民に好評
瀬戸内国際芸術祭の見どころなどを紹介する「こえび新聞」と、豊島(香川県小豆郡土庄町)で開かれる瀬戸芸関連のイベントを周知する「島キッチン新聞」が、4月末までにそれぞれ第20号、第100号の節目を迎えた。いずれも瀬戸芸の運営に携わるNPO法人瀬戸内こえびネットワークが無償で発行。ガイドブックには載らない裏話や島の話題も満載で、瀬戸芸ファンや住民に親しまれており、同ネットワークは「今後もメンバーの目線で瀬戸内の魅力を伝えたい」としている。
こえび新聞は変形タブロイド判オールカラーの両面刷り。住民や来場者に瀬戸芸について知ってもらおうと2009年12月に初版を発行した。編集は同ネットワークのメンバーのほか、有志のカメラマンやデザイナーらが担当し、毎回テーマを決めてアート作品だけでなく瀬戸内の歴史や文化について掲載。当初は年複数回だったが、現在は年1回発行している。
第20号では瀬戸芸の会場に鑑賞者らを運ぶさまざまな船の特徴を紹介。裏面は「初代めおん」や「なおしま」など引退した船の“第二の人生”を追跡取材し、県外や海外で活躍していることをつづっている。最新号は瀬戸芸会期中にボランティア「こえび隊」のいる会場などにあり、持ち帰りできる。
第100号を迎えた島キッチン新聞はA3サイズの両面刷り。豊島の島キッチンで開かれる「島のお誕生会」を住民に知らせようと14年4月から毎月発行している。誕生会で行う催しのほか、同店で販売する弁当や総菜のメニューを記載し、同ネットワークのメンバーらが手書きで仕上げている。高齢者の1人暮らしが多く、弁当や総菜は好評という。
島キッチン新聞はこえび隊が豊島の全約500戸に配達しており、今回は4月30日と5月1日に配布した。同隊メンバーの西谷隆一さん(39)は「住民から『いつもありがとう』『次もお願いね』と声を掛けてもらえるのがやりがい」と笑顔で話していた。
(四国新聞・2022/05/20掲載)