山にもアート充実 山なみ芸術祭塩江エリア開幕 24組、自然と融合
香川県内の山間部を舞台にした現代美術展「かがわ・山なみ芸術祭2022」(同実行委主催)が21日、高松市塩江町エリアで開幕した。5回目となる今回は「萌出(もえいづる)」をテーマに県内外の作家24組余が壁画や立体作品を出展。初日は市塩江美術館で式典が開かれ、アーティストのパフォーマンスなどで開幕を祝った。会期は6月26日まで。
式典には作家や住民ら約30人が出席。大西市長が「塩江が豊かな観光地になるきかっけになれば」とあいさつ。その後、県内外のダンサーらでつくる「チームM+(ミタス)」が生演奏に合わせて独創的な創作ダンスを披露した。
作品は同館のほか、数キロ先にあるモモの広場、大滝山県民いこいの森ピクニック広場など8会場で展示。このうち、同町で滞在制作を行った画家の鈴木彩花さん(神奈川県)は、周囲から聞こえる川の音に着想を得た絵を地元商店の外壁に描いており、豊かな自然と融合するような色彩美が注目を集めている。
モモの広場では、廃屋の中に「朽ちること」をイメージした油彩画を展示したり、イチョウの木に風景画を飾り付けたりと9組の作品が並ぶ。同広場では6月26日までの毎週土、日曜にマルシェも開催予定。
市塩江美術館では関連事業として、四国ゆかりの作家13人の作品を紹介する企画展「芸術の四国遍路展~現代アートで四国をひとつに!」を開催。四国の「化けタヌキ」を表現した縫いぐるみや、無数の流木で作ったシカの立体造形などユニークな力作を公開している。
観覧無料だが、同館の企画展のみ有料。会期中は、道の駅しおのえ近くの塩江バス停~モモの広場間で無料送迎バスを運行する。バス利用は、奥塩江交流ボランティア協会080-5665-1614に申し込む。
10月22日から11月13日までは綾川町エリアで同芸術祭が開かれる。
(四国新聞・2022/05/22掲載)