香川大付属坂出中学校の生徒が、江戸時代に高松藩で制作された博物図譜を再現するなどして香川の魅力を表現した作品が、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムロビーで展示されている。図譜に描かれた動植物と香川の風景写真などを組み合わせたコラージュ約100点が並び、生徒の視点で郷土の多様な魅力を伝えている。28日まで。


博物図譜と香川の魅力を組み合わせた作品に見入る来場者=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム

博物図譜と香川の魅力を組み合わせた作品に見入る来場者=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム


 県立ミュージアムが2015年から行う県内の小中学校との連携事業。同ミュージアムが収蔵する地域ゆかりの史料を教材として活用するとともに、生徒に博物館の役割を学んでもらうのが狙い。

 使用した図譜は、同ミュージアムが保管する「高松松平家博物図譜」。江戸中期に編さんされ、魚類や鳥類、草花など2千種以上の動植物が精巧に描かれたもので、その魅力に触れてもらおうと教材に選定した。

 今回は付属坂出中の生徒約100人が六角形のパネル(直径約20センチ)上にコラージュ作品を制作。このうち、国の重要文化財・県庁舎東館の写真をあしらった作品は、背景に香川の伝統的工芸品「保多織」の青い生地と、図譜に登場するウミドリの画像を貼り付けて瀬戸内のイメージを演出している。

 三豊市の父母ケ浜でトビウオが泳いでいるように見せたユニークな作品や、おいりソフトクリームに梅や桜の花を添えて華やかに飾った作品も注目を集めていた。

 同ミュージアムの担当者は「香川で作られた博物図譜について知ってもらい、地域の良さに目を向けるきっかけになれば」と話している。

(四国新聞・2022/05/23掲載)



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