香川のデザイン運動紹介 研究用の欧米商品展示 瀬戸内歴民資料館・来月26日まで
香川県高松市亀水町の瀬戸内海歴史民俗資料館で企画展「戦後香川の“新たな産業工芸”創出」が開かれている。香川のデザイン運動をけん引したとされる栗林公園の民芸館と県技術開発センター(現県産業技術センター)の活動を約140点の史料で紹介。デザインで生活を豊かにしようとした香川の歩みを伝えている。6月26日まで。
瀬戸内海歴史民俗資料館によると、高度経済成長期の1950年代後半、国内産業の意匠改善によって輸出振興を図ろうと当時の日本貿易振興会(ジェトロ)がデザイン性に優れた海外の商品を輸入し、国内で巡回展示する事業を展開。県がこのうち約2千点の商品を借り受け、同センター研究所での展示やデザイン指導に活用した。
さらに、60年代には県が栗林公園内に讃岐民芸館と新民芸館を整備。香川の風土に根差した民芸品に学びつつ、新たなデザインを取り入れた工芸品を創出するのが目的だったという。
同展ではそれらの歴史を物語る品々を展示。ジェトロがフランスやイタリアから輸入した食器、時計、照明器具などは形状やカラーリングが斬新で、日用品ながら強いインパクトを与える。また、讃岐民芸館の初代館長・和田邦坊が試作した金色の一閑張り、ハゼつぼの形をした花器など独創的な品物も並び、香川独自のデザインを生み出そうとした当時の試みが見て取れる。
香川県立ミュージアムの特別展「戦後デザイン運動の原点」の関連企画。入場無料。問い合わせは歴史民俗資料館、電話087-881-4707。
(四国新聞・2022/05/26掲載)
戦後香川の"新たな産業工芸"創出-ジェトロ収集海外優秀商品と古民芸に学ぶ-
会場 | 瀬戸内海歴史民俗資料館第1展示室中2階 高松市亀水町1412-2 |
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会期 | 2022/4/1~2022/6/26 |
開館時間 | 9:00~17:00(入室は16:30まで) |
休館日 | 月曜日 |
TEL | 087-881-4707 |