香川県東かがわ市松原の白鳥神社(猪熊兼年宮司)は参道などに、絵馬のようにさまざまな願い事を託せる短冊付きの風鈴を約470個飾り付けている。夏が近づき日増しに気温が上昇する中、吹き抜ける風を受けて美しい音色を奏でており、参拝者らに涼を届けている。設置は8月15日まで。


優しい音色を響かせ、涼を届けている風鈴=香川県東かがわ市松原、白鳥神社

優しい音色を響かせ、涼を届けている風鈴=香川県東かがわ市松原、白鳥神社


 同神社によると、神秘的で清らかな響きの鈴の音には災いをはらう力があるとされ、古来より神事や参拝などで重宝されてきた。同神社では昨年、参拝者に涼しい気持ちになってもらいたいとの思いから、拝殿正面にある随身門(ずいじんもん)前に風鈴104個を初めて設置。好評だったことから今年も企画し、昨年より1カ月早い5月下旬に飾り付けた。

 昨年は予想以上に人気が高く願い事を託せなかった人も多かったため、今年は設置場所を随身門前、本殿北側、手水舎の3カ所に増やし、赤や青、ピンクなど色とりどりの474個を30センチ間隔で飾っている。

 風鈴は直径約7センチのガラス製で、下部に同神社で生育した梛木(なぎ)の葉と願い事を自由にしたためられる短冊が付いている。梛木は「凪(なぎ)」に通ずることから平穏無事の象徴とされ、葉の繊維が強く裂けないことから「縁結びの木」として知られているという。

 奉納は社務所で設置個数分を先着順で受け付け、初穂料は1個300円。6月1日現在、60個ほどの願い事が託され、内容は家族の健康や良縁を願うものなどが中心となっている。

 同神社は「これから暑い時期になるが、鈴の音を聞いて涼んでもらうとともに、願いを託してもらえれば」としている。

(四国新聞・2022/06/02掲載)


白鳥神社



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