香川県丸亀市は、日本遺産に認定されている「せとうち備讃諸島『石の島』のストーリー」の認知度を高めようと、本島・広島での宿泊を対象に費用を補助する事業をスタートする。1人当たり一律3千円を宿泊施設の料金支払い時に割り引く。松永市長は「備讃諸島の景色は世界で一番美しいと思っている。できる限り多くの人にその魅力を伝えたい」と話している。


日本遺産構成文化財の一つで、本島にある塩飽勤番所跡(資料)


 日本遺産は地域の文化財や伝統芸能を一つの物語にまとめて情報発信し、地域振興につなげるのが目的。同市では大坂城の石垣にも使用された備讃諸島の石と石材を運んだ海運などのテーマが、土庄町と小豆島町、岡山県笠岡市とともに文化庁の認定を受けており、本島と広島には計12件の構成文化財が点在する。

 丸亀市が日本遺産関連で宿泊費の補助事業を行うのは初めて。認定された2019年度以降、新型コロナウイルスの影響もあってアピールが進んでおらず、5月30日の定例会見で概要を説明した市長は「住民、観光客双方が安心できるよう感染対策をしっかり講じながら、少しずつでも島を訪れてもらう仕掛けを考えていきたい」と強調した。


日本遺産構成文化財の一つで、広島にある尾上邸(資料)


 具体的には、7月1日~8月31日に本島、広島にある計7カ所の宿泊施設に宿泊する人が対象。本島の塩飽勤番所跡や笠島集落(笠島まち並保存センター)、広島の尾上邸や石の里資料館など日本遺産の構成文化財を2カ所以上周遊することなどが条件。

 申し込み方法は、対象宿泊施設に直接予約した後、宿泊日の5日前までに丸亀市観光協会ホームページ内の専用フォームで補助利用を申請、同協会からEメールで届く「ご利用確認書」を印刷し、宿泊施設に持参すると割引が受けられる。

 1日から受け付けを開始しており、先着170人で締め切る。問い合わせは丸亀市観光協会、電話0877-22-0331。

(四国新聞・2022/06/07掲載)


丸亀市観光協会


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