香川県小豆郡小豆島町坂手の小豆島霊場1番札所・洞雲山(白石行永住職)で8日、洞窟の岩肌に差し込む光と影のコントラストで生まれる「夏至観音」が姿を現した。参拝者らは神秘的な光景を息をのんで見守り、熱心に手を合わせていた。


岩肌に差し込んだ光と影で浮かび上がった「夏至観音」=香川県小豆島町坂手、洞雲山

岩肌に差し込んだ光と影で浮かび上がった「夏至観音」=香川県小豆島町坂手、洞雲山


 1年で昼の時間が最も長い夏至(今年は21日)を挟んだ約50日間のうち、晴天の日に午後3時ごろから数分間だけ見ることができる自然現象。同寺によると、1989年にお遍路さんが偶然気付き、以来、この時期に多くの参拝者が訪れるようになった。

 快晴だったこの日は、岩肌に強い日差しが差し込むにつれ、観音立像のシルエットが足元から徐々に出現。3分ほどで高さ約3メートル、錫杖(しゃくじょう)を手に持ったように見える全身がくっきりと浮かび上がった。

 東かがわ市三本松から訪れていた夫婦は「初めて見に来たが、想像していた以上に神秘的。荘厳な雰囲気を全身で感じられて良かった」と声をそろえた。

(四国新聞・2022/06/09掲載)



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