国の文化審議会(佐藤信会長)は17日、国史跡の「讃岐遍路道」に新たに四国霊場86番札所・志度寺(香川県さぬき市)の境内を追加するよう末松信介文部科学相に答申した。認められれば、讃岐遍路道として2020年の「大窪寺道」(さぬき市)以来5件目。


国史跡への追加指定が答申された「讃岐遍路道 志度寺境内」=香川県さぬき市志度

国史跡への追加指定が答申された「讃岐遍路道 志度寺境内」=香川県さぬき市志度


 讃岐遍路道は、13年に81番札所・白峯寺(坂出市)と82番札所・根香寺(高松市)を結ぶ「根香寺道」で史跡指定を受けたのを皮切りに、14年には71番札所・弥谷寺(三豊市)と72番札所・曼荼羅寺(善通寺市)を結ぶ「曼荼羅寺道」、17年に75番札所・善通寺の境内、20年に87番札所・長尾寺(さぬき市)と88番札所・大窪寺(同)を結ぶ「大窪寺道」がそれぞれ追加されている。

 香川県教委などは、「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録を目指して県内の遍路道や境内を調査しており、文化審議会は調査が完了した志度寺を新たに答申した。

 今回の指定対象は、志度寺の本堂や仁王門、大師堂、海女の墓五輪塔群などに、歴代住職墓も加えた約2万平方メートル。古くから信仰を集める札所としての価値のほか、絹本著色志度寺縁起や木造十一面観音両脇士立像など多数の文化財を有している点や、江戸時代の建物群が良好な状態で残っている点などが評価された。

 志度寺の十河彰澄住職は「非常にありがたく光栄。四国遍路の世界遺産登録が目指されている中で、その活動に貢献できることは名誉でもある。史跡への指定を機にもっとよい寺にしていきたい」と話した。

 今回は、国天然記念物の琴平町の大センダンについて、所在地を「琴平町129番」から「琴平町129番1」に変更することも答申された。

 県内の国史跡は25件、国天然記念物は12件。今回は追加指定や所在地変更のため、件数は変わらない。

(四国新聞・2022/06/18掲載)



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