四国最大のモモの産地、香川県丸亀市で「飯南の桃」の収穫、出荷作業が本格化している。今シーズンは少雨傾向が続いていることもあって、大きさはやや小ぶりながらも甘みが凝縮されたジューシーな仕上がり。山あいのモモ畑では淡く色づいた果実が食べごろの甘い香りを放っており、生産者も「例年よりひときわ甘い。素直においしい」と自信を深めている。


食べごろを迎えたモモを収穫する建石さん=香川県丸亀市飯山町

食べごろを迎えたモモを収穫する建石さん=香川県丸亀市飯山町


 県農協飯南地区桃生産販売部会では、同市飯山町と綾歌町、坂出市川津町の132軒の農家が計約55ヘクタールの畑で熟期の異なる計15品種の桃を栽培。県内市場や九州へ出荷するほか、県農協坂本選果場(丸亀市飯山町)に併設する直売所で販売しており、今年は350トン程度の出荷を見込んでいる。

 飯南の桃は、樹上で完熟近くまで育てるのが特徴。5月に果実に二重の袋をかけた後、収穫の10~14日前に外側の袋を外し、柔らかい日差しを当て、淡い色味を引き出すという。

 現在、主力品種の一つで早生(わせ)種の「日川白鳳(はくほう)」の収穫・出荷がピークを迎えており、自身の畑で連日、赤く色づいた果実を収穫している同部会の建石照夫部会長は「モモとしては最高の仕上がり。知人や親戚への贈答も含め、全国の大勢の人に味わってもらいたい」と話した。


赤く色づいたモモが並ぶ直売所=香川県丸亀市飯山町、県農協坂本選果場

赤く色づいたモモが並ぶ直売所=香川県丸亀市飯山町、県農協坂本選果場


 収穫は「あかつき」「なつおとめ」などと品種が入れ替わりながら7月末ごろまで続く。同選果場では外観品質だけでなく、糖度などの内部品質も調べられる高精度の光センサーを搭載した非破壊選果機を導入。品質をそろえて出荷しており、中でも糖度12・0度以上で外観も優れた果実は県産果物のブランド力を高める県の推奨制度「さぬき讃フルーツ」として出荷されている。

 同選果場の直売所では14日から販売が始まり、農家が運び込んだ箱入りのモモが並べられ、全国発送にも対応している。販売期間は7月末ごろまでの見込み。営業時間は午前9時~午後4時。期間中は無休。

(四国新聞・2022/06/27掲載)

飯南産直桃直売所


所在地 香川県丸亀市飯山町東坂本2019-1
営業時間 午前9時~午後4時(7月末ごろまで)
定休日 期間中無休
TEL 0877-98-5300


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