香川県内最大の美術公募展「第86回香川県美術展覧会(県展)」が28日、高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで始まった。7月4日までの第1期は、彫刻(立体表現)、工芸、写真の3部門から190作品を展示。テーマ設定や表現方法を工夫した力作が競演し、創意あふれる“美”の数々が来場者を圧倒している。


力作をじっくりと鑑賞する来場者=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム

力作をじっくりと鑑賞する来場者=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム


 新型コロナウイルスの影響で中止されるなどしたため、同展の一般公開は3年ぶり。今回は全5部門に895点の応募があり、展覧会では入賞、入選作に審査員らの作品を加えた495点を3期に分けて紹介する。

 このうち、写真部門は原爆ドームやハトを構図に入れるなど、ウクライナ情勢を踏まえ平和をテーマにした今年らしい作品が見られた。彫刻部門では素材に毛糸を使うなどユニークな逸品が充実。同ミュージアム入り口付近の親水スペースには風をテーマにした彫刻が設置され、初の屋外展示とあって注目を集めていた。

 会場には初日から大勢の美術ファンらが訪れ、じっくりと鑑賞。友人の入選作を見に来たという坂出市の主婦久保田春子さん(66)は「美しい自然を捉えた写真に感動させられる。まるで画面に吸い込まれるよう」と話していた。

 7月8~14日の第2期は書、18~24日の第3期は絵画の作品を紹介する。第2期以降は元県展審査員で3月に死去した書家の小森秀雲さん(高松市)らの遺作も公開予定。また、今月中旬に行われた作品鑑査と審査の映像も会場で公開している。

(四国新聞・2022/06/29掲載)


香川県立ミュージアム



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