高松市の大西市長は29日の定例会見で、屋島山上で整備を進めている屋島山上交流拠点施設「やしまーる」のオープンが、瀬戸内国際芸術祭2022の夏会期初日となる8月5日に決まったと発表した。全長約190メートルの通路のような回廊型の建物で、曲線を描いた独創的なデザインが特徴。施設は夏会期のアート作品にも位置付けられており、屋島山上の入り込み客数は例年の1・4倍に当たる70万人程度を目指す。


8月5日にオープンする建築工事中の「やしまーる」=香川県高松市屋島東町

8月5日にオープンする建築工事中の「やしまーる」=香川県高松市屋島東町


 やしまーるは屋島の活性化に向けた目玉事業で、屋島寺西側のホテル跡地約3400平方メートルに整備。2020年3月に着工し、新型コロナウイルス感染拡大や想定外の岩盤の出現による設計変更などで工期が約1年延びたが、建物は3月末に完成。現在は外構工事を行っている。

 延べ床面積は約千平方メートル。屋根には地元特産の庵治石で作った瓦を約3万枚使っている。ガラスを多く取り入れた展望スペースからは多島美を堪能でき、多目的ホールや文化観光情報案内、飲食・物品販売の各スペースのほか、施設中央には屋外広場を配した。

 また、パノラマ展示室は源平合戦をテーマにした約180度のパノラマ絵画(縦約5メートル、横約40メートル)やジオラマを設置する予定。瀬戸芸秋会期の作品として制作が進められている。総事業費は約16億4千万円。

 5日午前9時にオープン。4日には関係者によるオープニングセレモニーを開催する。

 やしまーるについて、市長は「屋島の歴史や文化、自然を紹介するビジターセンター、国際会議などのユニークベニュー(特別な会場)として有効に活用できれば。また、経済効果が大きいとされる宿泊客の確保に結びつけられるようにしたい」と述べた。

(四国新聞・2022/06/30掲載)



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