高松市が史跡高松城跡(香川県高松市玉藻町)で復元整備を進めていた「桜御門」が完成し、16日に一般公開が始まった。朝早くから大勢の市民らが詰めかけ、1945年の高松空襲で焼失してから約80年ぶりの雄姿の復元を祝うとともに、2011年度の発掘調査から足かけ12年の歳月を経て完成した同公園の新たな魅力の誕生を喜んだ。


約80年ぶりに復元され、一般公開が始まった桜御門=香川県高松市玉藻町、玉藻公園

約80年ぶりに復元され、一般公開が始まった桜御門=香川県高松市玉藻町、玉藻公園


 桜御門は披雲閣の正門に当たる櫓(やぐら)門で、1944年に国宝に指定されることが決まっていたが、翌年7月の高松空襲で焼失。市では、復元を目指して2016年度までに石垣の積み直しを行い、昨年4月から本格的な復元工事に着手していた。

 復元された桜御門は、幅約12メートル、奥行き約5メートル、高さ約9メートル。外壁は黒い下見板張りや白いしっくいで仕上げ、瓦屋根の頂には古写真を基に製作したしゃちほこを設置している。門の内部には資料展示スペースを設け、復元工事の様子を紹介したパネルのほか、工事に使用した木材、しゃちほこの型などを並べている。総工事費は約3億円。

 この日、一般公開に先立って行われた開門式には、関係者ら約100人が出席。大西市長が「桜御門の復元を契機に、天守再現の機運醸成につなげたい」とあいさつし、関係者らがテープカットを行った。その後、市長の「桜御門、開門」の発声でゆっくりと門の扉が開くと、会場から大きな拍手が湧き起こった。

 園内では鉄砲隊による演武のほか、相撲甚句や舞の披露などの記念行事もあり、訪れた市民らは多彩なイベントを楽しんだり、桜御門の姿を写真に収めたりして、思い思いに新しい公園の魅力を満喫していた。

(四国新聞・2022/07/17掲載)


高松城【玉藻公園】



関連情報