島の自然「優しさ」表現 小豆島 地元アーティストが作品展
香川県小豆郡土庄町のグラフィックアーティスト・MAYUさん(43)=本名・西村まゆこ=の作品展「花のうつろい」が、小豆島町池田の東洋オリーブの売店で開かれている。陽光に輝くオリーブの葉や小豆島の四季を彩る花々をモチーフに制作したタペストリーや絵巻、掛け軸など6点が会場を彩っている。9月25日まで。
MAYUさんは横浜市出身。2011年12月、青い海、緑の山、美しい花々や鳥のさえずりが聞こえる小豆島の雰囲気に引かれて移住した。動植物の写真を独自の視点で加工したグラフィックデザインで、ニューヨークでのグループ展に参加するなど国内外で活動している。
作品展は「瀬戸内国際芸術祭2022」の開催に合わせて東洋オリーブが企画。島内で活動するMAYUさんに、島の自然をテーマに作品制作を依頼した。
MAYUさんは、小豆島に自生するヤマザクラやヤマツツジ、フジなどのほか、陽光を受けると独特の輝きを見せるオリーブの葉など、気になっていた島内の風景を撮影して回った。
ファインダー越しに気付いたオリーブの独特な枝ぶりや、木漏れ日がつくる影の濃淡なども意識して取り入れ、写真と絵画を融合させた独特のグラフィックアートを制作。画像からのイメージを詩のような言葉にして柔らかな筆致の「書」にまとめ、グラフィックの上に重ね合わせるように仕上げた作品もある。
MAYUさんは「デジタル技術を駆使しているが、伝えたいのは小豆島の自然が持つ優しさ。実際の風景とともに楽しんでもらえれば」と話している。
(四国新聞・2022/07/18掲載)