いよいよ夏休み。新型コロナウイルスの感染拡大が気がかりだが、手洗いや消毒などの対策を徹底して家族や友人らと思い出づくりに励みたい。開放感いっぱいの海水浴や、自然に囲まれてのキャンプ、健康増進を兼ねてのハイキングもいい。さあ、この夏はどこへ行こう。香川県内の人気スポットを紹介する。

津田の松原海水浴場(さぬき市津田町)

 約3千本の松の群生が約1キロにわたって続き、白い砂浜とのコントラストが目を引く県内有数の海水浴場。新型コロナウイルスの影響で、海開きは3年ぶり。沖合で休憩するための浮島やシャワー室は設置するが、飲食時の感染リスクを考慮して海の家の開設は今年も見送る。松原での散策では、特に立派な7本の大木「七福神の松」や朱塗りの「願い橋・叶(かな)え橋」などが楽しめる。温浴施設「クアタラソさぬき津田」や、イルカと触れ合える日本ドルフィンセンターもほど近い。

 【メモ】高松自動車道津田東ICから車で約10分。JR高徳線讃岐津田駅から徒歩約10分。問い合わせは市商工観光課〈087-894-1114〉。


女木島海水浴場(高松市女木町)

 高松港の沖合に位置する女木島。水質が良く、県内随一の海水浴場として知られる。弧を描く美しい砂浜が有名で、環境省指定の「快水浴場百選」に選ばれている。シーズン中は海の家がオープンし、宿泊も可能。8月5日から始まる瀬戸内国際芸術祭の夏会期の会場にもなっており、島内のアート作品を鑑賞するのもお勧め。標高188メートルの山頂にある鷲ケ峰展望台から望む瀬戸内海の多島美は圧巻だ。

 【メモ】高松港からフェリーで約20分、女木港から徒歩で約10分。問い合わせは鬼ケ島観光協会〈087-840-9055〉。


琴弾地海水浴場(直島町)

 直島の南部に位置し、白い砂浜が弧を描くように広がる海水浴場。遠浅で穏やかな波が打ち寄せる浜辺は大勢の家族連れらでにぎわう。隣接するふるさと海の家「つつじ荘」では、宿泊のほか、コインシャワーを利用できる。近くにはベネッセハウス、地中美術館などの人気スポットがあるほか、8月5日からは瀬戸内国際芸術祭の夏会期も始まり、現代アートの魅力も楽しめる。

 【メモ】高松港から宮浦港行きフェリーで約1時間。港から町営バスで「つつじ荘」下車すぐ。問い合わせは町観光協会〈087-892-2299〉。


オリーブビーチ(小豆島町西村)

 小豆島最大の海水浴場。国道436号沿いにあり、内海湾の穏やかな海面、周囲の山々の緑、沖合をゆっくりと行き交う船が織りなす光景は幅広い世代から高い支持を得ている。全長約700メートルの砂浜では海の家が4軒営業。シーカヤックやスタンドアップパドルボード(SUP)の貸し出しなどを行っている。遊泳期間は8月末まで。ギリシャ風車がシンボルの観光スポット「小豆島オリーブ公園」も近く、対岸の田浦半島には小豆島出身の作家・壺井栄ゆかりの観光施設「二十四の瞳映画村」や「岬の分教場」があり、渡し舟(所要時間約10分、乗船料・大人片道500円)で行くことができる。

 【メモ】高松港からフェリーなどで小豆島へ。車で池田港から約10分、土庄港から約20分。問い合わせはプチホテル「サザンモースト」〈0879-82-5878〉。


海開きを迎え、歓声を上げながら一斉に海に入る子どもたち=7月3日、小豆島町西村のオリーブビーチ

海開きを迎え、歓声を上げながら一斉に海に入る子どもたち=7月3日、小豆島町西村のオリーブビーチ


父母ケ浜(三豊市仁尾町)

 夕日が美しい南北約1キロのロングビーチ。干潮時に最大で約400メートル沖まで干潟が現れ、潮だまりに風景や人物が鏡のように映り込む。「天空の鏡」「日本のウユニ塩湖」と呼ばれ、人気観光地に。風がなく、干潮と日の入りが重なる時間帯がシャッターチャンス。絶景の見頃は市観光交流局のホームページ参照。周辺に飲食店や土産物店、宿泊施設が続々と誕生しており、車中泊専用の有料宿泊エリア「RVパーク」(5台分)も開設された。

 【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約20分。JR詫間駅から市コミュニティーバスで約20分(日曜、祝日は運休)。駐車場は周辺に約350台分。問い合わせは市観光交流局〈0875-56-5880〉。


干潟が広がる父母ケ浜。潮だまりに鏡のように映る写真を撮ろうと多くの人が訪れている=7月15日、三豊市仁尾町

干潟が広がる父母ケ浜。潮だまりに鏡のように映る写真を撮ろうと多くの人が訪れている=7月15日、三豊市仁尾町


竜王山・大滝山(高松市塩江町)

 香川と徳島の県境に連なる讃岐山脈を代表する山。竜王山の標高は県内最高峰の1059メートル、3番目の高さを誇る大滝山は946メートル。「香川のみどり百選」にも選ばれている。山頂付近にはブナの原生林が残り、登山道を歩きながら雄大な自然を満喫できる。キャンプ場があるほか、麓の塩江温泉郷でゆったりと湯に漬かって、疲れた体をリフレッシュするのもお勧め。恒例の「塩江温泉まつり」は、今年も新型コロナウイルス感染防止のため中止となった。

 【メモ】高松自動車道高松西ICから車で約50分。問い合わせは塩江温泉観光協会〈087-893-0148〉。


休暇村讃岐五色台キャンプ場(坂出市大屋冨町)

 五色台山頂にあり、豊かな自然に囲まれたキャンプ場。鳥のさえずりや、キツツキが木をたたく音まで聞くことができる。1区画約100平方メートルのオートキャンプサイトは33区画あり、テントを張るだけでなく車の駐車も可能。このうち4区画は常設テントを設置している。宿泊以外にも、気軽にバーベキューが楽しめるよう道具のレンタルと食材がセットになった「手ぶらで日帰りBBQプラン」も用意。休暇村本館には、瀬戸内の多島美を一望できる展望大浴場やプール(8月31日まで)もある。ネット予約は24時間対応。

 【メモ】高松自動車道高松檀紙、坂出各ICから車で約40分。問い合わせは休暇村讃岐五色台本館〈0877-47-231〉。


飯野山(丸亀市・坂出市)

 標高422メートル。「讃岐富士」と呼ばれ、県民の心を癒やす里山として親しまれている。登山口は3カ所にあり、讃岐平野や丸亀城、瀬戸内海を一望しながら、1時間弱で山頂に着く手軽さも人気の一つとなっている。8月下旬の日の出時には、山頂から昇る太陽がダイヤモンドのように輝き、その様子がため池の水面に映る「ダブルダイヤモンド讃岐富士」が見られる。自然美の神秘的な瞬間を目の当たりにできるのは晴天で風のない穏やかな朝で、丸亀市土器町の宮池などがお薦めスポット。

 【メモ】宮池や丸亀市飯野町の登山口まで高松自動車道坂出ICから車で約10分。問い合わせは丸亀市観光協会〈0877-22-0331〉。


飯野山の山開き式の後、山頂を目指して出発する登山愛好家ら=4月22日、丸亀市飯野町

飯野山の山開き式の後、山頂を目指して出発する登山愛好家ら=4月22日、丸亀市飯野町


TaTuTa(タツタ)の森(綾川町枌所東)

 秋と森をつかさどる神・竜田姫の名前を冠した柏原渓谷の町営キャンプ場。綾川上流の両岸に広がる棚田の跡地に整備され、常時、川のせせらぎを楽しむことができる。テラスにバーベキューコンロがあるコテージ7棟は、室内に温泉水のユニットバスやトイレ、ベッドを備えている。川岸に沿って並ぶバンガローは5棟。テントサイト14区画、日帰り客向けのデイサイトが13区画ある。寝袋や鍋セット、バーナー、コーヒー焙煎(ばいせん)キットなどがレンタル可能。3カ月前から予約できる。受け付けは午前8時半~午後5時。

 【メモ】高松自動車道高松檀紙ICから車で約45分、府中湖スマートICから約40分。問い合わせは柏原渓谷キャンプ村〈087-878-3340〉。


国営讃岐まんのう公園(まんのう町吉野)

 国の名勝・満濃池に隣接する約350ヘクタールの国営公園では、四季折々の自然を満喫でき、昆虫教室や木工教室などの体験教室も楽しめる。8月14日まではサマーフェスタを開催。約6千本の緑葉のコキアや、8品種約8500本のヒマワリが来園者を出迎え、7月31日には雑貨販売やステージショー、キッチンカー出店などのイベント「FAN FUN DAYS」を開く。8月6日から14日までは、午後6時までの開園時間を同9時まで延長し、コキアのライトアップを実施。6、7日には打ち上げ花火もある。

 【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約25分。問い合わせは同公園管理センター〈0877-79-1700〉。


(四国新聞・2022/07/20掲載)


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