明治末期から昭和にかけての香川県高松市塩江町の町並みや人々の暮らしなどを紹介する写真展が31日から、同町の町歴史資料館で開かれる。昭和初期に高松・仏生山地区から塩江地区までを運行した塩江温泉鉄道(ガソリンカー)をはじめ、観光客らでにぎわう温泉郷の様子など、往時の塩江の姿を伝える写真約90点を展示する。会期は31日、8月28日、9月25日の3日間。


香東川で船遊びを楽しむ観光客ら。石垣の上には大型旅館が立つ(昭和初期)


 「讃岐の奥座敷」とも呼ばれ、山間の温泉郷として栄えた塩江地区の変遷をたどり、当時を懐かしんでもらおうと同館が企画。地元住民らに協力を呼びかけて集めた写真などを紹介する。
 ガソリンカーが走る山村の様子をはじめ、旅館の立ち並ぶ通りを浴衣姿で歩いたり、屋形船で香東川を遊覧したりする観光客を活写した写真などを展示。1912年(大正元年)に崩落した上西地区の蛸(たこ)山での救出作業を捉えた写真も掲示し、さまざまな角度からまちの歴史や文化、産業の移り変わりを伝える。


高松市塩江町の明治から昭和までの姿を紹介する写真展=高松市塩江町、町歴史資料館


 葉たばこの収穫作業を手伝う子ども、農閑期に稲わらで「ふご」作りにいそしむ住民、祭りなどの地域行事の写真も並べ、当時の人々の生活の一端を紹介する。
 同館の開館時間は午前10時~午後4時。入館料200円(中学生以下無料)。問い合わせは同館の藤沢館長、電話090-1575-5291。

(四国新聞・2022/07/29掲載)



関連情報