県都の夏を華やかに彩る「さぬき高松まつり」(高松市、高松まつり振興会主催、四国新聞社、西日本放送など協賛)が3年ぶりに帰ってきた。55回目を数える今年も「ものっそ高松」を合言葉に、12日から14日まで高松市の市中央公園などで開催する。花火大会はサンポート地区の観覧場所が大幅に縮小され、新型コロナウイルスを含めた安全対策が困難なため中止となったが、フィナーレの総おどりでは18連計約1100人の踊り手が乱舞。お笑い芸人らのライブなど多彩なステージイベントも用意されており、コロナや猛暑に負けず、安全・安心に3日間を楽しもう。



ステージ お笑いや音楽ライブ多彩 人気芸人たち続々登場

 市中央公園の中央ステージでは、お笑いや音楽などさまざまなイベントが展開される。
 12日午後5時半からのオープニングセレモニーでは、讃岐国分寺太鼓保存会の演奏に続いて、ものっそ隊がPR。古くから伝わる盆踊り唄「正調一合まいた」の演舞があり、第15代高松ゆめ大使の委嘱式も行われる。
 同6時半から土庄町出身のシンガー・ソングライター勝詩さんのライブ、同6時50分からのナイスタウン創刊46周年PRステージのの後、同7時10分から「ゆかたグランプリ2022」を開催。審査中の同8時からお笑い芸人の小島よしおさんが登場する。同9時からはアキラ100%さんが渾身(こんしん)のネタを披露する。
 13日は午後6時半から金属製の打楽器スチールパンを使った「Steel Band minamo」のステージ。同7時10分からは県内3高校の応援部員らがチアダンスを披露するなど熱いエールを送る。お笑いコンビのテツandトモのライブは同9時から。
 14日は午後7時からバスケットボールB2の香川ファイブアローズのオフィシャルパフォーマー「United Archers」が出演。同7時55分からシンガー・ソングライターのSaigenjiさんのライブ、同8時40分から原口あきまささんの物まねライブなどが繰り広げられる。


小島よしおさん

小島よしおさん


アキラ100%さん

アキラ100%さん


テツandトモ

テツandトモ


原口あきまささん

原口あきまささん


Saigenjiさん

Saigenjiさん


勝詩さん

勝詩さん


Steel Band minamo

Steel Band minamo


United Archers

United Archers


安全安心へ対策を=コロナ マスク着けて密集回避

 高松市などは、策定した新型コロナウイルス感染防止安全計画に沿って対策を講じながら安全にまつりを運営する。マスクの着用、消毒、手洗い、密集回避などの基本対策をアナウンスするとともに、配布用うちわへの掲載、看板設置などで周知を徹底。体調不良時は参加を控えるよう呼びかけている。
 計画によると、大声を繰り返し出す人にはスタッフが注意し、改善が見られない場合は退場措置を取る。飲食スペースは設けず、食べ歩きや観覧エリアでの飲食は禁止。短時間での黙食などを行うよう注意喚起する。
 消毒液は中央公園の複数箇所に設置。少人数での行動を促し、仮設トイレでは待機列の密集を避けるため1メートルごとに足元マークを設ける。ステージの観覧席では間隔を空けて座るよう×マークを貼るなどする。
 出演者や来場者ら全て事前に検温し、発熱や風邪の症状などがある場合は参加を控えてもらう。また、まつりの前後に長時間マスクを外して会食するなどの行動を慎むよう周知する。
 来場者の把握などとしては、スマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」のインストールなどをお願いする。


コロナ対策が掲載された配布用のうちわ

コロナ対策が掲載された配布用のうちわ


安全安心へ対策を=熱中症 小まめに水分補給 

 環境省と気象庁が「熱中症警戒アラート」を発表するなど、最高気温が35度以上の猛烈な暑さが続く県内。懸念される熱中症の対策として、市などの主催者は小まめな水分補給などとともに、人との距離を一定確保できる場合はマスクを外すよう案内する。会場の中央公園では、大型扇風機やミスト扇風機を拡充するなどして涼を提供する。
 県内では、熱中症とみられる症状で搬送される人も相次いでいる。市は、高齢者や子ども、障害者は熱中症のリスクが高いため、特に注意が必要としている。
 熱中症は予防が大切としており、屋外では、▽日陰を歩く▽日傘を差す、帽子をかぶる▽小まめに休憩▽涼しい所に移動―などが対策のポイント。水分補給は喉が渇いていなくても小まめに行い、大量に汗をかいたときは塩分補給も欠かせない。気温が高いと体力も奪われやすいため、保冷剤を首や脇に当てて体を冷やすのも効果的という。
 しっかりと睡眠や食事を取るなど体調を整えるのも大事。日中だけでなく、気温が下がらない夜間にも熱中症にかかるケースがあり、市は「十分に気を付けて来場を」と呼びかけている。

総おどり(14日午後6時40分から) 4年ぶりに1100人乱舞 



 3日間のクライマックスを飾るのは、恒例の総おどり。まつり自体は3年ぶりの開催だが、2019年は台風の影響で総おどりは中止となったため、4年ぶりに色とりどりの衣装に身を包んだ踊り手たちの姿を目の当たりにすることができる。開始は14日午後6時40分。
 今年もテーマは「喜舞笑舞(きまいわらいまい)」。「さぬき高松まつりのテーマ曲」で踊る一元放送連14連、オリジナル曲の自由連4連が出場する。新型コロナウイルスの影響で参加連や踊り手は前回18年の3分の1程度と少ないものの、それぞれ感染対策を講じた上で熱く舞う。
 中央通りを踊り歩く一元放送連は、例年よりほぼ半分に短縮された約200メートルのコースで南北からそれぞれ同時にスタート。各連前後の距離を従来の約10メートルから約40メートルに拡大するほか、隊列は4列から3列に減らし、踊り手の前後の距離も2メートルから3メートルに広げる。
 自由連は、市役所南側のおどりスポット1カ所と市中央公園中央ステージの計2カ所に登場。各所2回ずつエネルギッシュな踊りを披露する。
 今年は、優れたパフォーマンスを見せた団体などを表彰する「総おどりAWARD」は設けない。




交通規制

 総おどりの交通規制は午後6時20分~9時。例年、車両の通行止めエリアとして、東西は県庁前通りからフェリー通りまで、南北は西日本放送南側の県道から観光通りまでとしていたのを今回は大幅に縮小。美術館通りから観光通りまでの中央通りと中央公園周辺の一部だけを規制する。
 中央通りからフェリー通りまでの一帯は、迂回(うかい)エリアとして設定。高松港から中央通りを南進する大型車については、さぬき浜街道で迂回するよう呼びかけている。
 総おどり時の臨時駐車場は、新番丁小、旧新塩屋町小、旧築地小の3カ所。開設時間は午後5時(新番丁小は正午)から午後10時半まで。



ゆかたグランプリ(きょう午後7時10分から) 涼やかな着こなし競う


2次審査を通過した10人

2次審査を通過した10人


 まつりに花を添える「ゆかたグランプリ2022」は、12日午後7時10分から市中央公園の中央ステージで開催される。最終審査が同公園で行われるのは3年ぶり。
 今回、書類審査や7月の2次審査を突破し、最終審査に出場するのは16~40歳の10人(男性1人、女性9人)。涼やかな浴衣姿を披露し、浴衣の魅力や着こなしなどをアピールして競い合う。
 グランプリ(1人)の受賞者にトロフィーや10万円相当の副賞などが贈られるほか、準グランプリ(2人)などが設けられている。グランプリの栄冠を射止めるのは誰か。

笑顔で高松PR ゆめ大使委嘱式 



 高松市の観光PR役を務める「高松ゆめ大使」。12日のオープニングセレモニーでは、15代目の大使として、大学生の石川桃奈さん(19)、いずれも会社員の松崎小春さん(27)、矢部里菜さん(24)の3人の委嘱式が行われる。
 ゆめ大使は、市内外で開催されるさまざまな観光行事や公的行事で観光宣伝を行うなど、高松のイメージアップに努めている。
 3人は「高松まつりのステージで委嘱式が行われるのは3年ぶり。気持ちも新たに、諸先輩方に負けないよう明るさと笑顔で、観光高松の魅力を日本中に、また世界にPRしていきたい」と意気込んでいる。

荒天の場合

 悪天候の場合、12~14日のステージイベントは一部内容を変更して実施する予定。14日の総おどりは中止する。

(四国新聞・2022/08/12掲載)



第55回さぬき高松まつり公式ホームページ


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