放哉の句、涼やかに 土庄 記念館で風鈴展
香川県小豆郡土庄町で最晩年を過ごした漂泊の自由律俳人、尾崎放哉(1885~1926年)の資料を展示する同町の小豆島尾崎放哉記念館で、放哉の句を紹介する「俳句風鈴展」が開かれている。「入れものが無い両手で受ける」などの代表作を中心に60句が風鈴の短冊に記されており、来館者は涼しげな音色を聞きながら、自由律俳句の世界に浸っている。9月4日まで。
同館は、放哉のついのすみかとなった小豆島霊場58番札所の西光寺奥の院「南郷(みなんご)庵」を復元した施設。風鈴展は、放哉が1925年8月20日に入庵したのを記念し、2017年からこの時季に行っている。
風鈴は赤や青、黄など鮮やかな色合いのガラス製で、同館の軒先や庭に飾り付けている。短冊には放哉が小豆島で詠んだ句のほか、種田山頭火、荻原井泉水、井上一二ら放哉と親交の深かった俳人の作品がつづられている。放哉に関係のあるクイズなどが書かれた短冊もあり、手に取って答えを考える来館者の姿も見られた。
同館の職員は「瀬戸内国際芸術祭のアート作品を見た後にでも立ち寄ってもらえれば。幅広い年代の人に放哉の句と触れ合ってほしい」と話している。
庭の風鈴は自由に観賞できるが、館内への入場は中学生以上220円、小学生110円が必要。水曜休館。問い合わせは同館〈0879-62-0037〉(午前9時~午後5時)。
(四国新聞・2022/08/18掲載)