夏休みの自由研究にいかが―。絶滅が危惧される香川県内の動植物の現状を伝える「まちかど生き物標本展~かがわの生き物の世界」(県主催)が、まんのう町中通のことなみ未来館で開かれている。県内で既に絶滅したとされる昆虫や絶滅の危機にある植物、県固有の生き物などを標本やパネル写真で紹介、自然保護の大切さを学ぶことができる。入場無料で、9月10日までの毎週土曜開催。


県内の希少生物の現状を伝える担当者=香川県まんのう町中通、ことなみ未来館

県内の希少生物の現状を伝える担当者=香川県まんのう町中通、ことなみ未来館


 県レッドデータブックが昨年、2004年の発刊以来初めて改訂されたのを受けて、NPO法人「みんなでつくる自然史博物館・香川」(同町)が企画。約100種の標本と同法人の会員が撮影した写真約110点を、浜辺、草原など生息域ごとに集めた。
 水辺のコーナーでは、県内では絶滅したベッコウトンボや水生カメムシ「タガメ」、絶滅危機にひんしている魚「ニッポンバラタナゴ」について解説。逆に、絶滅したと思われていたが19年に約60年ぶりに発見され、今は広範囲で増えている水生甲虫「コガタノゲンゴロウ」や、温暖化で分布域を広げているトンボも展示している。
 このほか県固有の希少生物として、観音寺が唯一の生息地だったが絶滅状態にある植物「ヒメソクシンラン」、まんのうにしかいない陸貝「ヤノムシオイガイ」なども紹介している。
 担当者は「標本の写真を撮るなど、工夫次第で夏休みの自由研究のテーマにできるのでは。どんどん質問してくれるとうれしい」と来場を呼びかけている。
 9月10日には子ども向けのイベント「むしむしクイズ」を実施。標本展は今後、丸亀や東かがわ、高松でも開催する。問い合わせは香川県みどり保全課〈087-832-3227〉。

(四国新聞・2022/08/19)



関連情報