香川県小豆郡土庄町の元地域おこし協力隊員が、同町渕崎の土庄中学校近くにある古い空き家を改装し、カフェを併設した「独立系書店」を開業した。協力隊員としての活動を通じ、島民らが求めている書籍の傾向を分析して本を仕入れるのが特徴。読書会などのイベントを定期的に開催し「交流できる書店」を目指す。


オープンした「独立系書店」で来店客の相談に応じる田山さん(右端)=香川県小豆郡土庄町渕崎

オープンした「独立系書店」で来店客の相談に応じる田山さん(右端)=香川県小豆郡土庄町渕崎


 書店を開業したのは田山直樹さん(32)=同所=で、店名は「TUG BOOKS(タグブックス)」。書店を地域の知的インフラの一つとして捉えるとともに、タグボートのように本の世界への「水先案内人」の役割を果たそうという思いを込めて名付けた。
 協力隊員として来島する前は大手書店の店員だったため、出版社や流通会社とのネットワークで仕入れを行うことができ、小規模ながらも客の要望に応じた本を入手しやすい。「独立系書店」は近年、読書家らから注目されている。


TUG BOOKSの外観

TUG BOOKSの外観


 店舗は土庄中や富丘八幡神社近くにある築60年以上の木造2階建て約110平方メートルの空き家を借り受け、3月から本格的に改装。1階部分で書棚の整備が完了し、本の仕入れができたことから、8月30日にオープンした。現在は児童書や文芸書、料理、旅行、デザイン、SFなど約50分野、計2千冊程度を取り扱っている。営業を続けながら、2階部分の改装も行う。
 田山さんは「読書会や持参した文庫本をハードカバーに作り直すワークショップなどを行い、幅広い世代に読書の楽しさ、本の奥深さを体験してもらいたい」とにっこり。来店していた浜松市の大学院生、岡本隼輔さん(24)は「ゆっくりできる空間で、自分に合った本が見つかりそう」と話していた。
 営業時間は午前10時~午後7時。木、金曜が休み。問い合わせは田山さん〈080-3883-1574〉。

(四国新聞・2022/09/04掲載)


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