日本の技術革新を支えたとされる「特許」や「実用新案」について紹介する企画展「くらしの道具の技術革新」が、香川県高松市亀水町の瀬戸内海歴史民俗資料館で開かれている。生活を豊かにするための知恵と工夫が込められた生活道具が並び、技術開発の歩みの一端をうかがい知ることができる。11月6日まで。


特許や実用新案のラベルが付いた製品が並ぶ企画展=高松市亀水町、瀬戸内海歴史民俗資料館


 特許と実用新案の制度は発明を保護することで産業の発達や競争を促そうと明治時代に制定された。当時は製品を展示・審査する博覧会が全国で開かれるなど技術交流が活発で、香川でもさまざまな特許・実用新案の出願が行われていたという。
 会場には両制度のラベルが付いた道具を中心に約50点を展示。このうち、昭和期に作られた「十秒間洗濯機」は、洗剤と一緒に熱湯を入れることで圧力を発生させ、圧力を逃がす際に汚れを落とす発明品。三木町の農具製作所が改良製作した唐箕(とうみ)は、県外で申請された実用新案が四つ組み込まれており、もみ殻をより効率よく選別するためのアイデアを集めて作られたことが分かる。
 このほか、ハエたたきや鉛筆といった身近な日用品にも発明が用いられていたことを紹介。農具の中には特許のラベルはないものの「出願中」などと表記されたものもあり、製品の優秀性を示す宣伝材料として制度名が使用されていたことがうかがえる。
 入場無料。問い合わせは同館、電話087-881-4707。

(四国新聞・2022/09/08掲載)



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