グランピング、県内続々 海+温泉/仕事部屋併設/日帰り 施設、多彩な特色前面
近年人気のレジャー「グランピング」が香川県内で広がっている。海の近くでマリンスポーツや海鮮料理を楽しめたり、緑の多い場所でゆっくりした時間を過ごせたり、各施設は特色を前面に出して県内外から集客。新型コロナウイルス下でも、少人数利用や屋外施設などがポイントとなり、利用者数を伸ばしている。
グランピングはグラマラス(魅力的、豪華)とキャンピングを合わせた造語。売りは▽キャンプ用品や食材の準備が不要▽ベッドや空調を備えたテントの常設▽スタッフによる手厚いサービス―など。日本グランピング協会によると、従来のキャンプにない高級感や非日常感が受け、2015年ごろから人気という。
県内では6月、観音寺市有明町で温泉施設の琴弾廻廊を運営する讃岐煉瓦(同市)が、海の近い同施設敷地内に「グランプレミア瀬戸内」を整備。ベッドや空調を完備した4人向けテント8棟などを設け、グランピング、海、温泉が一緒に楽しめるとして、8月は稼働率が90%を超えた。
東かがわ市馬篠の温浴施設「絹島温泉ベッセルおおちの湯」も温泉や海が一緒に楽しめ、スタンドアップパドルボード(SUP)体験や地場魚介のバーベキューが好評。グランピングのテントはスタートした19年の3棟から昨年、10棟に増設した。
7月に土庄町でオープンしたキャンプ場「マリンリゾート小豆島」もオーシャンビューが人気。砂浜沿いのグランピング用ドーム型テント(2~4人向け)は一部が透明の素材で、中から瀬戸内海が一望できる。
「趣味や仕事用の小屋を併設し、日帰りで利用してもらうなど、客単価を低くした」とするのは、同月に綾川町の田園地帯で開設した「アスキア」。食材を持ち込みにするなどして平均料金を相場の半分以下となる1万円以下に抑え、リピーター獲得を狙う。
6万6千平方メートルのオリーブ畑を管理するオキオリーブ(高松市西植田町)は、畑の一角に1棟だけテントを設けたロケーションが売り。昨年から1日1組限定で営業し、約1500本のオリーブに囲まれた景観、高松近郊の利便性が評価され、土日祝日は予約で埋まっている。
(四国新聞・2022/09/09掲載)