島々舞台に癒やしの調べ 30日から「たかまつ国際古楽祭」 直島皮切り、高松・小豆島でも
主に18世紀欧州の楽曲を当時の楽器と楽譜で演奏する「第5回たかまつ国際古楽祭 チルい古楽!」(同実行委主催)が30日から10月2日までの間に、高松市と直島、小豆島で開かれる。今回は国内の実力派奏者に加え、3年ぶりに海外ゲストを招へい。瀬戸内国際芸術祭秋会期が開かれる島々も会場となっており、瀬戸内の風景に包まれる中で心癒やす音色が楽しめそうだ。
古楽祭は同市出身でフルートの前身フラウト・トラベルソ奏者の柴田俊幸さんが芸術監督を務め2017年から開催。「チルい」は、のんびり時間を過ごすことを意味するという「chill out」に由来し、新型コロナウイルス禍の中、古楽でリラックスしてもらおうとテーマに掲げた。
出演者は21年度のサントリー音楽賞を受賞したリコーダー奏者浜田芳通さんや、英国で長年活動してきた高松市出身のビオラ・ダ・ガンバ奏者森川麻子さんのほか、ベルギーの音楽院古楽科学部長でチェンバロ奏者バルト・ナーセンスさんら計16人が名を連ねる。
メインは、10月1日午後1時半から高松市屋島西町の穴吹学園ホールである公演。注目は1800年ごろに製作され、近年修復された「フォルテピアノ」の演奏で、同時代のモーツァルト、ベートーベンが作曲した「ピアノと管楽のための五重奏曲」などで当時の音色を再現する。
30日午後3時からの直島公演は、直島ホールでハーディ・ガーディと呼ばれる弦楽器などを使い、バロック時代の音楽や子どもたちにも親しみやすい楽曲を届ける。1、2日の小豆島公演は、オリビアン小豆島夕陽ケ丘ホテル(土庄町)で音楽と食のイベントを開催。バッハが食べたとされる晩さん会レシピを香川の食材を使って再現し、食事を味わいながら同じ時代の音楽を楽しんでもらう。
かがわ文化芸術祭の参加公演。入場料は高松公演が一般4千円(前売り3300円)ほか。直島公演は一般千円、3歳~高校生は無料。小豆島公演は同ホテル〈0879-65-2311〉への予約が必要で、コースなどは古楽祭ホームページ参照。問い合わせは実行委、電話080-5665-7050。
(四国新聞・2022/09/23掲載)