「黄色カボチャ」復活 直島の草間作品、昨年台風で破損
ベネッセホールディングス(岡山市)は、昨年8月の台風で香川県香川郡直島町の突堤から海に流されて破損した前衛芸術家・草間弥生さんの屋外作品「南瓜(かぼちゃ)」を復元。4日から同所で展示を開始した。この日は地元の小中学生らを招いてお披露目のセレモニーが開かれ、関係者が島のシンボルの1年2カ月ぶりの復活を祝った。
同社によると、作品は黄色いカボチャをモチーフにした繊維強化プラスチック製で高さ2メートル、幅2・5メートル。1994年から常設展示していたが、昨年8月の台風9号の強風や高波の影響で作品を固定していた金具が外れて海に流された。突堤に打ち付けられるなどして破損し、近くの海岸に打ち上げられたところを同社が回収した。
草間さん側と協議した結果、作品の修復は不可能と判断。このため、草間さんの制作チームが半年ほどかけて同じデザイン、サイズで作り直した。災害対策として作品の厚みを増して強度を高めたほか、避難させやすいように重機でつり上げられる仕様にした。
セレモニーには小林町長や同社の関係者、地元小中学生ら約80人が出席。小林町長は「直島の魅力を長年世界に発信してきた作品。復活を心待ちにしていた」とあいさつ。直島中2年の堀口来愛(くれあ)さん(13)は「島のシンボルが戻ってきてうれしい。みんなで大切にしていきたい」と話していた。
(四国新聞・2022/10/05掲載)