優美な漆額、来場者魅了 善通寺で大西忠夫展
善通寺市名誉市民で漆芸作家の故・大西忠夫さん(1918~2007年)の作品展が、香川県善通寺市文京町の市美術館(大西忠夫記念館)で開かれている。絵画のような優美な漆額や迫力ある屏風(びょうぶ)が来場者を魅了している。入場無料。16日まで。
大西さんは筆岡村(現・同市中村町)生まれ。1955年に日展特選を獲得するなどし、日展審査員も3度務めた。何層も塗り重ねた色漆を彫る技法「彫漆」を基本に、独自の漆作品を生み出した。
作品展は市が毎年開催しており、今回は来年迎える弘法大師空海生誕1250年にちなんで、空と海をメインテーマに41点を展示した。このうち空に立つ虹を描いた「虹」は、本年度新たに寄贈を受けた漆額作品。二曲屏風の「橙龍(とうりゅう)」「緑龍」では天を荒々しくかける龍を、四曲一双の屏風「潮声(ちょうせい)」では、静かな瀬戸内の多島美を描いている。
四国霊場の風景を柔らかに描いた作品や、現代アートを思わせるような作品も並び、感性の豊かさと作風の幅広さを伝えている。友人と訪れた坂出市の女性(39)は「同じ作家なのに、作品によって全然雰囲気が違っていて面白い」と話していた。
(四国新聞・2022/10/13掲載)
善通寺市美術館
所在地 | 香川県善通寺市文京町2丁目1−3 |
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開館時間 | 10:00~18:00 開催中無休 |
入場料 | 無料 |
TEL | 0877-62-4924 |