「アートだけじゃない粟島の魅力伝えます」―。瀬戸内国際芸術祭秋会期の会場の一つとなっている香川県三豊市詫間町の粟島で、児童らがガイド役となって島内の見どころを案内する「子どもガイド」が活躍している。市内外の小学生から大学生までの約20人が登録。粟島を何度も訪ねて名所や歴史について学び、手作りした紹介パネルを掲げながら、体感した粟島の素晴らしさを自らの言葉で伝えている。ガイドは11月6日までの会期中、土日祝日に実施している。


粟島芸術家村を案内する子どもガイドたち=三豊市詫間町、粟島

粟島芸術家村を案内する子どもガイドたち=三豊市詫間町、粟島


 子どもガイドは、瀬戸芸の来場者に粟島のさまざまな魅力に触れ、楽しい思い出をつくってもらおうと、住民団体「まちづくり推進隊詫間」が企画した。2016年、19年の瀬戸芸でも行っており今回が3回目。「あわしまのええとこガイド」として、所要時間約1時間の中心部コースに加え、今回新たに同約1時間半の西浜コースを設けた。
 かつて国立の海員学校があった島らしく、子どもたちは船員をイメージしたそろいの制服を着用。2~8人を対象に数人で案内を引き受けている。
 漂流郵便局では「届けたくても届けられない手紙が各地から届き、開局以来5万通を超えています。自分宛てに書かれた手紙が届いているかもしれませんね」などと説明。西浜コースでは「だるま窯」などを回り、瓦産業で栄えた粟島の歴史に触れてもらう。ほかに「『島のコンビニ』といわれる商店」「(歌手の)藤井フミヤさんが寝転がったベンチ」といったスポットも組み入れている。
 子どもガイド登録者は5月から9月にかけて養成講座を受講。島内を歩き回り、住民に話を聞いて案内する場所やコースを考え、準備を進めてきた。
 19年の瀬戸芸に続いてガイドを務めている詫間小5年の内田三聖君(10)は「3年前に比べ展示作品が増えたし、(流政之さんの)彫刻『サキモリ』も設置され、たくさんのことを説明できるようになった」と充実の表情。「『よく知ってるね』と褒められ、喜んでもらえると、とてもうれしい」と話した。
 参加費は両コースとも500円(漂流郵便局入場料を含む。お土産付き)、中学生以下200円。同推進隊のホームページなどから予約できる。当日申し込みは漂流郵便局前の受付場所へ。問い合わせは同推進隊〈0875-83-3639〉。

(四国新聞・2022/10/22掲載)


特定非営利活動法人まちづくり推進隊詫間



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