独自性のある現代美術作家を紹介する「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」が、香川県高松市紺屋町の高松市美術館で開かれている。12回目となる今回は「フラジャイル/ひそやかな風景」がテーマ。独創的な手法で生み出された繊細な作品の数々が、表現の新たな可能性を提示している。6日まで。



 今年は県内外の気鋭の作家5人を選定。フラジャイルは「壊れやすい」などの意味があり、テーマに沿った立体造形や写真、絵画など64点が集まった。
 このうち、陶芸家・稲崎栄利子さん(同市)の「御誕生日」は太さ1ミリ程度の円状の土のパーツを無数につなぎ合わせて平たい布のように焼成し、リボンを思わせる形を表現。新型コロナウイルス下で試行錯誤を重ねて生まれた新作といい、陶芸とは思えない緻密な造形に目を奪われる。
 このほか、シャッターを半年間開放して風景の中に太陽の軌跡を捉えた写真や、気圧の変化を利用したインスタレーションなど作家それぞれの世界観が来場者の感性を刺激している。
 入場料は一般800円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2022/11/02掲載)

高松市美術館


所在地 香川県高松市紺屋町10番地4
営業時間 9:30~17:00
※展覧会場への入室は閉館時間の30分前まで
定休日 月曜日(祝休日の場合は翌平日)
TEL 087-823-1711


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