しょうゆ蔵やつくだ煮工場が並び、「醤(ひしお)の郷(さと)」として散策コースとなっている香川県小豆島町苗羽の県道沿いに、約100年前に作られたしょうゆ造りの木桶(きおけ)と花こう岩を組み合わせた休憩所などを設けた公園「醤ロードパーク」が整備された。関係者は「伝統産業の歴史を感じられる場所として、観光活性化の一助になれば」と期待している。


完成した「醤ロードパーク」を見て回る関係者ら=小豆島町苗羽

完成した「醤ロードパーク」を見て回る関係者ら=小豆島町苗羽


 小豆島町商工会が整備した。これまでは約300平方メートルの敷地に地元のしょうゆ業者が提供した木桶五つがモニュメントとして並んで設置されていたが、風雨による老朽化が進んでいたため、8月からリニューアル工事を進めていた。
 傷みの少ない木桶1個を再利用し、周囲を地元で採取される花こう岩で囲むように積み上げた。側面には出入り口を設けて中にはベンチを用意。高さ約2・1メートル、直径約2・9メートルの円筒形で、茶室のような空間に仕立てた。内部には明治、大正、昭和の地元の産業や観光地の様子を伝える写真パネルが掲示されている。
 休憩所のほか、しょうゆやつくだ煮について紹介したプレートや季節の花々に彩られる花壇も整備した。
 1日にあった完成披露会で、同商工会の長松稔会長は「地元の産業をさらに磨き、観光客に魅力を伝えていきたい」と述べた。

(四国新聞・2022/11/04掲載)



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