香川県内最大の自然薯(じねんじょ)の生産地、香川県さぬき市大川町の南川地区で16日、今季の初掘りが行われた。今年はサルや台風による被害が一部で見られたものの、この日掘り出した自然薯の出来は上々。例年通りの粘りや風味が期待できるという。29日から同地区の南川自然の家で販売される。


自然薯を手にする南川自然薯研究会のメンバー=さぬき市大川町

自然薯を手にする南川自然薯研究会のメンバー=さぬき市大川町


 同地区の自然薯栽培は、水はけの良い土質や昼夜に寒暖差がある地域特性を生かし、1987年にコメに替わる作物としてスタート。89年からは地元農家が南川自然薯研究会(頼富義弘会長)を結成し、栽培・普及に取り組んでいる。
 今年は同研究会の30~80代の男性会員10人が約1ヘクタールで約5千本を栽培。夏場に一部農家で、サルが芋のつるを約千本引き抜く被害が出た影響で、今季の収穫量は4千本程度になる見込みという。
 初掘りは約千本を育てる小倉広士さん(31)の畑に会員9人が集まって実施。期待と不安が入り交じる中、土中に埋めたパイプの中から長さ60~130センチほどの自然薯が次々と姿を現すと、一様にほっとした表情を浮かべた。
 頼富会長は「夏場の高温小雨や秋の台風の影響などを心配していたが、掘り出した全てが良い状態で、最高の出来。粘りや風味の良い自然薯をぜひ味わってほしい」と話していた。
 南川自然の家での販売は29日~12月3日の5日間を予定(なくなり次第終了)。価格は「秀」「優」「等外」などの規格ごとに異なり、1キロ当たり3400円(秀)~1600円(等外)。販売期間中の問い合わせは南川自然の家〈0879-43-3064〉。

(四国新聞・2022/11/17掲載)



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