観音寺市は23日、地元の名所を徒歩で巡りながら食を楽しんだり、温泉につかったりするガストロノミーツーリズムイベント「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin観音寺市~日本の夕陽(ゆうひ)百選・有明浜~」を開催した。あいにくの雨模様の中、県内外から95人が参加。市中心部の約7キロのコースを歩き、各ポイントで地元事業者が振る舞う練り製品や讃岐うどん、地酒、こうじで作った甘酒などを堪能した。


かまぼこ店で出来たての練り製品を味わう参加者=観音寺市観音寺町

かまぼこ店で出来たての練り製品を味わう参加者=観音寺市観音寺町


 ガストロノミーツーリズムはヨーロッパ発祥で、日本で独自に「温泉」の要素を加えた「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」は近年、地方創生の有効策として注目され、全国各地で行われている。香川県内では初の開催となった。
 同市は、地域創生の推進に関する業務連携協定を5月に締結したANAホールディングス傘下のANAあきんど(東京)との連携事業の一環として実施。ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構の協力でルートを選定した。
 参加者はスタート地点の市役所を午前11時から順次出発。かまぼこ店に立ち寄り、四国霊場68、69番札所の神恵院、観音寺に参拝した後、室本町の古い町並みを歩き、観音寺ファミリーキャンプ場で讃岐オリーブ牛やロメインレタスなどの地元産野菜をバーベキューで味わった。有明浜を散策してゴールした後は温泉施設「琴弾廻廊」で湯につかってくつろいだ。
 登山仲間と参加した徳島県吉野川市の西條忠雄さん(74)は「出来たての天ぷらや地酒といった普段味わえないものをたくさん頂き、どれもおいしかった。町並みを歩く機会はなかったので新鮮な気分だった」と満足そうに話した。
 同市はこの日のイベントの様子や市内の名所の動画を撮影し、観光情報を発信するコンテンツとして活用する。「今後も毎年継続して開催できれば。事業者には産品をPRして販路拡大につなげてもらい、官民が連携して活性化に取り組むイベントとして成長させていきたい」としている。
 「ONSEN―」は12月11日に小豆島町、来年1月29日には善通寺市、琴平町でも開催が予定されている。イベントの詳細は同機構のホームページ〈onsen-gastronomy.com/〉。

(四国新聞・2022/11/24掲載)


ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構


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